「メリーバッドエンド」を含む小説

魔王を倒し世界を救った勇者は、用済みとばかりに守った筈の人々に嵌められて自ら命を絶った。 残された勇者の仲間が、『勇者が死んだその先』を見届けるための最期の旅のおはなし。 ※…

海辺の小屋で暮らすイリスは病を患っている。 彼の面倒を見ているアモンは、なんとか彼を治療する方法はないかと頭を悩ませていた。 そんな時、アモンは不老不死の秘薬である人魚と遭遇する…

音声エンジニアの久我蓮は、カフェバーで出会った日向茜に心を奪われる。重い心臓病を抱えながらも「かわいそうな病人の消費」を激しく憎み、同情を拒むために己の痛みすら美学として語る彼女…

　魔王が死んだ。 　人間に仇為す害獣…魔族を統べる彼の死により、魔族の活動は急激に減少し、やがて人々は平和に暮らせるようになった。 　勇者と呼ばれる、魔王を殺しに向かった勇気ある…

いつからか、風の音が彼の声に似ている気がしていた。 思い出すでもなく、忘れるでもなく。 彼は、わたしの片手の中に、ただ在りつづける。 名を呼ぶたび、指先がかすかに震えて応える…

とある女の子の、誕生日にまつわるビターな半生のお話。

ガリア王国歴７５１年、王位継承争いが勃発。女騎士アリアドネは、姫に命を捧げ、槍を振るう。しかし忠誠の果てに待っていたのは喪失だった。 剣と魔法、王国のレガリアを巡るファンタジー短…

「もももの庭の物語」自主企画に寄せて。 (11/6 こっそり描写を足しています) 追記:寵愛https://kakuyomu.jp/works/1681733065037551…

仕事で体も心も疲れ切った営業職OL・灯梨《あかり》。 春浅いある日、彼女がふと目にしたのは、公園のベンチの後ろに咲く二本の桜の灯だった――。 毎年、春になると咲き誇る桜の花。 …

輝かしい未来が約束されているはずだった。 だが、勇者アルベルを待っていたのは、民衆の喝采でも王からの褒賞でもない。 彼が最後の戦いでその身に受けたのは栄光の傷ではなく、その命を数…

営業マンとして死んだ俺は、悪魔の国で転生した。 ここでは人間の魂が「通貨」。 魂を集めた者が、成り上がる。 俺のターゲットはDV加害者、詐欺師、いじめっ子―― クズだけを狙えば…

いずれメリーバッドエンドを迎える百合。 曇らせとか病みだとか。そういう暗い雰囲気のなかでムワッとするような湿度高めの描写とそれに負けないくらいに黒くて粘っこい心理描写。 まぁ、…

その孤独が、どんな理由に因るものであっても、 こどもたちはいつか、それを埋める誰かに出遭う。 彼らが一体、どんな存在だとしても、 こどもたちはいつか、隔たりを越えて慰め合う。 た…

「私はポーカーフェイスが上手かった。そうなった理由なんて、もう覚えてないけど」 １７歳の大和れんは、殺し屋のもとで生活している。 腕利き自慢の「旦那」と、母親のような「奥…

龍神の加護を戴く六つの国にまつわる群像劇。 人も人ならざら者も、生きるために力を求め、力を行使して死を招く。 生を願（のろ）い、死を恐（ほこ）れ。その思いこそ、暗闇に響く歌となり…

高校時代の友人、直美、崇、そして瞳。 彼らには、誰にも言えない暗い過去があった。一度は消せたと思った過去のトラウマが蘇る。絶望、恐怖、憤怒が彼らに忍び寄る。 「大丈夫、もう心配…

戦乱の国。群雄たちが求めるのは、天国への門を開くことができる『門の巫女』。 自分を連れ出した男に、目の見えぬ巫女が語り掛ける、過去の傷と救いの物語。 ダーク寄りなファンタジー世界…

2025年7月に行われた、X(旧Twitter)企画「文披31題」で書いたものです。 ジャンルがバラバラなので、系統ごとにまとめてみました。 こちらは男女の恋愛が主軸で、基本…

脳シナプス間隙レテ療法――それは、嫌な記憶を丸ごと消去する夢の手術法である。 不慮の事故で恋人を失った宗本朱音は、トラウマを癒すためレテ療法の治験を受ける。 ところがレテ療法は…

その男は、他人の不幸を舌の上で転がし、涙の味を愛でる異常者だった。その少女は、痛みを提供することでしか自分の居場所を作れない犠牲者だった。 痛覚共有デバイスが普及した世界で出会っ…