「スピーカー」を含む小説

殺風景な部屋に異様な空気が漂っている。原因は言うまでもない、部屋を二つに分けるように設置されている『鉄格子』だ。 俺は椅子に座ってテーブルの上で手を組んだ。 ガチャ…

「幽霊など存在しない。この世にあるのは物理現象と、脳が見せる『バグ』だけだ」 大学の民俗学准教授・久我山蓮（くがやま・れん）は、端正な顔立ちに着崩した和装、 そして首には最新鋭…

今日僕は、スマートスピーカーを買った。 これで僕の生活は快適になる……はずだった。

「見ないで」心霊スポットの生配信中の最中、映り込んだのは、絶対にいるはずのない少女の背中だった。 動画配信グループ『トレンドライン』の蓮たちは、肉眼では見えないその背中を、カメ…

【あらすじ】 ひとりが苦手な探偵・猪俣アイは、ダジャレ好きなAI「アイノマタ２号」を相棒に探偵業を営んでいる。ある日、小劇場「笑来座」から依頼が舞い込む。人気漫才コンビの決勝ネタ…

深夜の国道沿い、霧に包まれた無人のバス停。 電光掲示板には赤い文字で、「まもなくきます」。 スピーカーからは、到着を告げるアナウンスが流れ続けている。 だが、物理的なバスの姿は…

都内某所、築35年の中古一戸建てを購入した若夫婦、是枝（これえだ）家。 彼らは夢のマイホームを手に入れるため、工務店にフルリノベーションを依頼する。 しかし、解体工事が始まった…

森最強と恐れられる赤ずきんちゃんは、今日もおばあちゃんへのおつかいへ向かう。腰にはハイパーブレード、背中には大型スピーカー、そして手には“スーパー・エナジーパイ”。森の動物たちは…

フリーライターの咲良（さくら）は、引っ越したばかりのワンルームで奇妙な現象に気づく。 夜、壁越しに「自分と同じ声」が誰かと話しているのだ。 仕事の独り言を盗み聞かれているような気…

「働くこと」「書くこと」「生きること」の境界で息をしている人へ。 ――『拝啓、ペパーミントはあとぶれいく』 世界の片隅で、延命中の人間より。

天井のスピーカーから流れるオルゴールが、狂いなく朝を告げる。 パステルピンクの病室、穏やかな電子音、微笑む看護AI。 完璧に整えられた“癒し”の世界で、彼女はもう夢を見ない。 そ…

※三題噺『森、寿司、メガネ』は第三話「自己愛のマッチポンプ」に反映しております。 時々報道される洗脳事件。死者が出て事件化することではじめて世間に明るみになります。では死人が出…

慢性的な不眠症と孤独に悩む「僕」。唯一の話し相手は、枕元のスマートスピーカーに搭載されたおせっかいな人工知能（AI）だけだった。「セロトニンが不足しています」と繰り返すAIを鬱陶…

「ヘイ、相棒！蘇生（そせい）しろ！」――ゲームの仲間に叫んだはずのその言葉が、なぜか「警察（けいさつ）にしろ」とスマートスピーカーに誤変換され、本当にお巡りさんが来ちゃうかもしれ…

これは、あるITジャーナリストが公開を見送った、呪われた記録である。 ​フリマアプリで手に入れた一つの中古スマートカメラ。 深夜2時44分、そのレンズが捉えるのは、決まって現れ…

「執筆初心者さんのための公募向けラノベ道場『椎茸』【スピーカー招待制】」で行われた 1時間でどれだけ書けるか、という修行の成果です。 2000字には遠く及ばず……精進します。

七年前、世界を襲った“ノクシラ”――異界から流れ込んだ影の群れ。 人類はかろうじてこれを退けたが、その侵攻を境にして、隠されてきたものが表舞台に現れることになった。 魔術結社、…

トロくて臆病な少年・土呂井はいつもいじめられていた。そんなある日、土呂井は夜の学校で目を覚ます。"今から君たちにはゲームをしてもらう"スピーカーから流れる不気味な音声。果たして彼…

都会の孤独を癒やすために部屋に置いた、最新のAIスピーカー。 そこから流れる女の声は、人間以上に滑らかで、触れられそうなほどの質感を持っていた。 あなたは、その声だけの存在に、い…

同級生の歌種桜子（うたたね　さくらこ）さんは、不登校だ。 成績は学年トップ。だけど授業にはほとんど来ない。そんな子の家に、春休みの課題プリントを届けに行った僕は、そこで「本当の…