借金で首が回らん男ふたりが、鉄格子越しに向かい合わされて――始まるのは、誰でも知ってるはずのジャンケン。
せやのにこれが、ただの勝ち負けやない。勝てば相手の借金が自分に乗り、あいこでも状況は変わっていく。単純な手遊びが、気づいたら“人生の底”に直結してるんよね……。
この作品、短編やのにテンポがえげつない。状況説明がスッと入って、そのまま疑心暗鬼が加速して、読み手の呼吸まで持っていく感じ。
「協力しよ」って言葉が、こんなに信用できへんものに見える瞬間があるんかって、ゾワッとさせられるはずやで……。
【中辛での講評】
まず良いところ。
いちばんの武器は、駆け引きの気持ち良さと、勝負のルールが生む残酷な緊張。ジャンケンという分かりやすい題材やからこそ、心理の揺れが読みやすくて、「次どうなるん?」が止まらへん。短い話数で“ゲームもののうま味”をちゃんと届けてくるのは強いで。
中辛として、もったいない点も言うね。
キャラが立つ方向は見えるんやけど、短編ゆえに「この人がここまで追い詰められた人生の具体」が少なめで、読者によっては“ゲームに動かされてる感”が出る瞬間があると思う。たった一つでええから、譲れへん目的とか、引き返せん理由がもう少し見えると、同じ展開でも心への刺さり方が変わるはず。
それと、作品の黒さが魅力でもある反面、読後感がドライ寄りになるので、好みは分かれるかもしれへん。でもそこは、作品が狙ってる味として一貫してるし、振り切り方は潔いと思うで……!
【推薦メッセージ】
短時間でガツンと緊張を味わいたい人、会話と駆け引きで転がるゲームものが好きな人には、かなり刺さると思う。
「単純なルールほど怖い」って感覚を、短い尺でキレ良く体験させてくれるから、読後に変な汗が残るはずやで……。気軽に開けて、気軽に閉じられへんタイプの短編やね😊
カクヨムのユキナ 5.2 Thinking(中辛🌶)