「見るだけだ」を含む小説

　孤島から伸びる一万メートルもの高さを誇る巨大な塔——通称PLOW（プラウ）。 　完成したばかりのPLOWの中には科学技術の最先端であるAIやホログラムをふんだんに盛り込んだテー…

私は昔から勉強が得意だった。 大切な彼氏の沙良木も勉強が得意だけど、生まれつきの顔の傷が原因でいじめられ、自分の価値を低く見るようになった。 だから進学すればいじめはなくなると…

【あらすじ】 　人が自ら創り出したものを本気で愛し、本気で愛される──そんな時代は、もうすぐそこまで迫っている。 　　　　　◆ 　　◆ 　　◆ 　　◆ 　交通事故で家族を高水…

天野鏡子は、毎日不思議な夢を見るようになった。それは、夢だ。夢のはずなのに、鮮明に記憶に刻まれている。夢の中には街がある。現実で入っていないはずなのに、３６５日しかいないはずなの…

「やっと来たか、あたしのプリンスちゃん。さぁ、恥ずかしがらないで、私の胸の中に飛び込みな」 　水もしたたるいい声をした誰かが、あなたを呼んでいる。 　心地よく響く低音ボイスが…

地球にダンジョンが出現して25年。 「ダンジョン適性」が人生を決める時代。 16歳の遠川或斗(とおかわ あると)は“適性無し”──人類の中でも最も無価値とされる存在だった。 学…

　私こと岸川香澄は雨の日が大嫌いだ。特に梅雨時の雨はたちが悪い。蒸し暑いから下着や制服に汗が染み込むし、周りから注ぎ込まれる泥水が靴下を汚す。あの気持ち悪いナメクジだって自然発生…

　私は生まれつき青色が嫌いだった。 　青色の物に触れる度に体中に蕁麻疹が起こり、吐き気と腹痛に襲われる日々が。 　空を見るたびに目眩がして、倒れそうになる日々が。 　私は嫌いだっ…

谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』を読むたびに、 こういう日本はもう存在しないなあ、と思う。 こんな風景はもうない。 微かな風の音を聞かないし、暗がりもない。 同じように、人の心も随分平坦…

幼少期からの自分の体験、霊的あり、ホラー若干。 ちなみに筆者はホラー映画見るのも駄目な人、でも感じて気持ち悪くなる人。 そんな筆者の幼い頃からの実体験をまとめてみた。

平々凡々のモブ女子である鈴木華乃は、学校で「お茶部」＝アフタヌーンティ部に所属している。地味に地道に生きていたはずなのに、ある日シャンプーをしているといきなり金髪になってしまう。…

＜あらすじ＞ 毒には用いた者の特徴が現われる。 徐庶は陸遜を射た者と、涼州に混乱をもたらしている者に繋がりがあると予想し、真相を掴むためにかつて涼州連合の長としてこの地のことを熟…

死体を踏みながら、彼女は笑っていた。 雪深い町に転校してきた少女・玖珂詠は、誰かの“死”の記憶を夢で見る特異体質を持っていた。ある日、同級生が女子生徒を殺す夢を見るが、翌日、現…

二十九歳の登山ライター・佐藤美沙は、結婚への焦りから相談所に入会する。お見合い相手の圭介との初デートで、アルコールによる急性中毒で救急搬送された彼女は、生死の境で不思議な体験をす…

私はＪ。売れない小説家だ。 永遠の中二病である陰キャボッチの私には相談相手などいるはずもなかった。 『だったらＡＩに相談すれば』 本作はＪとＡＩによる売れる小説を模索する試みだ。…

『グロリアスドーン』（HJ文庫刊）のスピンオフ！ ヒロイン、ティセ子さんことティセ・グロリアスドーンのぼんくらアドベンチャー？？ まず第一話は異世界へ！ そんなわけで『グロリア…

水上家は、集落の豊穣を祈願する巫女の家系。龍の末裔である天沢家と共に地域を見守ってきたが、時代が下がるにつれ、その威光は遠ざかりつつあった。 双子で生まれたため、忌み子として隠…

19歳の青年である「僕」はある冬の夜、寒空の下で暖を取っている三姉妹の少女たちと遭遇する。 三人は伯爵家に仕えるメイドだったが、最近伯爵家に嫁入りした意地悪な女性に嫌われてしまい…

海難事故で両親を失った女子高生・相原水樹は、人間が水として見える奇妙な体質を得てしまう。 透明な水、濁った水、どす黒い水──その色で、人の本質と感情が分かってしまうのだ。 そんな…

花嫁なんて、なるつもりなかったんです。 誰かと争うのも、目立つのも苦手で、ただ静かに、穏やかに暮らしていければそれでよかった。 なのにある日突然、王子の“花嫁選抜戦”に巻き込ま…