「​円城塔賞」を含む小説

そこは須磨支店の『出張所』扱いでした。 須磨の御大尽からの希望で置かれたという 話でしたが、海に近い須磨よりも寧ろ 六甲の深い山中にあるという。 そもそも、何故あんな山深い場所に…

セックスしないと出られない部屋に男女が閉じ込められること1週間。場当たり的なセックスでは到底脱出不可能であると悟った二人は、互いに向き合って談義する。

「ミルクティーが甘くなるように水飴を溶かすから。」 4つの物語を順番に読んでいけば、この言葉の意味が分かるはず。 ミルクティー、ラムネ、砂糖水、水飴の4つの「甘さ」とそれに伴…

私、ミユに殺された。でも、まだ川を渡る気になれなくて。 〈登場人物〉 ・私 ・渡し守の蛍さん ・ミユ ・お母さん ・お兄ちゃん ・女の子

知的生命体があるレベル以上の技術を持つと、突如現れる『銀河連邦』と名乗る異星人。 彼らは知的生命体に合格プレートを渡していくが、何の目的があるのだろうか？ 『丙』の合格プレート…

定年間近の高校教員が、教職員向けIT講習会で奮闘…と思いきや、教職員全員に訪れた出来事とは？

　三年前、とある事情で航空機長から解雇された父親を持つ少年、八島幸信（やしまゆきのぶ）は、バーベキューの最中、父親の大切なフライトキャップを譲り受け、一羽のカラスに出会う。バーベ…

「ラブレターや！」 四年二組の教室に、事件のはじまりを告げる声がひびきわたる。 浅野君がもらった不思議なラブレター。 犯人の思惑とは？

【カクコン11参加短編】 成人の日を翌日に控え、僕は父さんからナイフと革紐をもらった。

隋末唐初――暴君・隋の煬帝はたび重なる遠征、贅沢により、国政を乱れさせてしまう。結果、国内には戦乱が相次ぎ、唐公・李淵の子、李世民は隋に見切りをつける。しかし最後まで隋のために戦…

街中を歩いていると、びっくりするほど薄い建物を稀に見かけます。 正面から見た時に、横幅と高さは普通なのに、どうにも奥行きだけがごくごく狭い。そもそも人が入れる余地はあるのか？…

AIに仕事を奪われたイラストレーターがAIから仕事を奪う話です。

他人からの認識を阻害する、迷彩アプリにまつわる話です。

機上の空論です。

「方丈記」で知られる鴨長明は、歌合せの場で「瀬見の小川」という言葉を用いる。うつくしさのあまり、月が瀬を見に来る川、という意で、鴨川のことを言う。ところがそれは、鴨長明の家――下…

ぼんやりと遠い。 現実か、夢か。 あったのか、なかったのか。 淡い夏の記憶。

わたしの住む街がある日、常夏の世界へと変貌した――ヤシの木が生え、フラミンゴが辺りを闊歩し、アロハシャツのおじさんが道端でウクレレを弾いているという始末。 この状況を、「トロピカ…

缶コーヒーにもプライドはある。灰皿がわりに使うなんてちょっと酷いんじゃないか？ 人間は缶コーヒー片手に愚痴りたがるが、たまには缶コーヒーだって愚痴を言いたい。 缶コーヒーの愚痴…

西暦751年、黒衣大食（アッバース朝）のホラーサーン総督、アブー・ムスリムは唐の安西節度使・高仙芝が西域──石国を荒らし回っていることを聞き、麾下のズィヤード・イブン・サーリフに…