「ひととき」を含む小説

空の色が変わるたび、思い出が増え、想いが深くなる。 青からピンク色に染まった空の下で交わした想いは、 ほんの少しの悪戯で、甘く切なく心に残る。 空を見るたび、二人の時間と思い出が…

こはるとひよりが季節の音や光を感じながら交わす小さな会話を収めました。就寝前の読書や朗読にも合う、やさしい物語集です。

　十六歳のミリアは、失恋の傷を癒すため、祖父の屋敷に滞在することにする。懐かしいはずの屋敷は、主人がいなくなり、すっかり静かになっていて。思い出との差にミリアはさらに引きこもる。…

幼い日に交わした小さな「やくそく」。歳月を経て再会した二人の間に、かすかに残る記憶と想いが静かに息を吹き返す。亡き妻・志保が生前に密かに託した手紙が、閉ざされた心にそっと光を灯し…

こちらは『第4回「G’sこえけん」音声化短編コンテスト』の応募用に書いた作品です。 ASMR部門に向けた作品なので台本形式になりますのでご了承お願いします。 ※「」は全てヒロイ…

空に浮かぶ島に住む、金髪の青年・ハロル。 彼は鳥の姿となって空を翔け、世界中の「手紙」を届ける配達人。 人々の暮らしの中で目にするのは、忘れられた記憶、小さな願い、消えかけた誰か…

婚約者である王太子の人気取りのため悪役にされてしまったミラベラを、断罪の場で唯一庇ってくれたのは、生真面目で有名なアードリックだった。そのまま王太子の売り言葉に買い言葉で、アード…

夏の校庭で見つけた、ひとつのせみのぬけがら。 それは小さな男の子にとって、ただの殻ではなく「せみのぼうし」。 頭にのせれば、飛びたつ未来を思わせてくれる、大切なお守りのような存在…

あの駅、あのメール、あの約束。 それは、人生でほんのひとときだけ訪れた、 ささやかで、それでも確かに胸を打った時間だった。 気づかないうちにすれ違って、 うまく言葉にできなかっ…

※ネタバレ含むガチのあらすじですので、気にする方は読み終わってからにでもどうぞ。 ◇あらすじ◇ ある深い森の中、荷馬車を走らせていた行商人カインは突然の大雨に降られてしまうが…

【定期更新】 たった100文字で、あなたの日常に小さなひびを入れる恐怖の断片。 電車の中で、寝る前のひととき、ちょっとした空き時間に読める超短編ホラー集です。長い怖い話を読む時…

星屑の喫茶店、閉店後のひととき。 忘れられた一冊の本が、サクラをある物語へと導いていく。 夜の河川敷、ほんの一瞬すれ違った幻影。 それは、忘れていた願いの輪郭か、 それとも、あ…

静まりかえった夏休みの昼下がり。 ゆうまが見つけたのは、いつも通る公園の奥に伸びる、見知らぬ小道。 その先の池に映っていたのは、自分より少し大人びた“未来のゆうま”でした。 夏休…

『いっそ死んでしまった方が楽なのではないか』。ある少女は、そんなことを毎日考えていた。これ以上苦しい思いはしたくない。痛い思いはしたくない。気持ち悪いことはされたくない。兄たちか…

夏の夜長にひとときの涼をお楽しみください。

婚約者とカフェで未来の話をしていたはずが、ふとよみがえる、あの“幻のような一日”。 甘いひととき、完璧なエスコート、誰もが羨むはずの令息との時間。 でも── 最後に案内された…

降りしきる雨から逃れ、偶然見つけた小さな工房。 そこは、星屑を閉じ込めたような砂糖菓子『星屑糖』を、たった一人で作る口下手な少女・雫の聖域だった。 雨が止むまでのひととき、あな…

急遽予定が入った友達から、ただで野球のチケットをもらったあなた。会社終わりに一人観戦へ行くと、隣の席に座っていた女子大生・直生(なお)から質問責めされる。 「初めて球場に来たの…