「見るだけだ」を含む小説

■舞台背景 　天文二十四年（1555年）、安芸国・厳島。 　毛利元就はわずか四千の兵を率いて、三万を誇る陶晴賢を奇襲した。 　嵐の夜、狭く山と海に挟まれた厳島は、まさに血の雨が降…

『用のない階では降りないでください』。ぼくのマンションのエレベーターの前には、そんな張り紙があります。ある日、誰もいない階の扉が開いて――少し不思議でほんのり怖い、エレベーターの…

　“今日だけ恋人”を提供するアプリ〈24h彼氏〉は、24時間で必ず終わる。終了の白い帯が流れ、記録は雲に消える。 　——それが安心で、少し残酷で、だから安全。 　ところが私（七…

舞踏会での断罪から、 物語は泥へ降りる。 レースの裾は塩で白く固まり、 靴はひび割れる。 いいでしょう。 派手な救国は騎士に譲って、 わたくしは一次産業で王国を救います。 …

西暦2077年、世界は「リセット法」により街の記憶を消され、AR（拡張現実）の**「理想都市」**に塗り替えられた。 主人公アキラが見る現実は、太陽光さえ均一にフィルタリングさ…

あらすじ＊幕末、豊後の国（大分）竹田岡城の支城である騎牟礼城の物見櫓の水瓶の中に生まれたままの赤ん坊が泣き声を上げていた。女中頭のお福が見つけ抱きかかえて物見番の甚助の元に駆け込…

特急あずさの車窓から見えた様子の記録。 列車は都会まで伸びています。そしてその先まで引かれているのです。

妻を失った男と、彼女の記憶を引き継いだAI。 完璧なはずなのに、違和感だけが消えてくれなかった。 それでも彼女は、まるで“夢”のように微笑んでくれる。 これは、代わりなんてい…

死んだ人が成仏できずに未練のある場所に縛られてしまう現象。そこに縛られた人を、世間では未練仏と言う。高校生の翔（カケル）はそういう世界に生きている。未練仏を通して見る、人間模様、…

死体。 それは出来れば関わ和りたくはないもの。 でも、世の中にはそれを見て、あまつさえ生み出して、悦に浸る非道な者がいる。 これはそんな非道な者達への、犠牲者からのアンチテー…

それは突然の事だった。 私には8つ下の弟がいる。彼の瞳孔が、たまに縮んでいる。たまにぼうっとどこかを見ている。たまに家族を見るとゆっくりと近づいてくる。人間とは到底思えない、無機…

天城来栖は、クールでダウナーな雰囲気と見た目のカッコよさで話題沸騰中の人気モデルだ。 俺――折村新は、そんな彼女の親友で仕事の付き人。 小中高とずっと一緒で、仕事にも付いて回り…

藤崎美鈴は心身ともに疲弊したブラック企業に勤めるごく普通の会社員。 残業は当たり前、プライベートは皆無という絶望的な日々を送っていた。 そんなある日、唯一の心の拠り所だった祖父の…

はっきり言います。 この小説。 最後の百十九文字以外、どうでもいいことで埋めつくされてます。 もう、最後の百十九文字以外は読まなくてもいいかもしれません。 最後の百十九文字を読ん…

あらすし:終末のエレベーター。偶々居合わせた2人は、「終わり」を観にいくため、ひとり旅だったのだと言う。1人は津波を見るために海へ。1人は隕石を見るため宇宙へ。 果たしてどちらの…

＜あらすじ＞ 涼州遠征軍の帰還を待つ長安。夏侯惇は以前、曹操が郭嘉の安否を気にして以来、涼州の様子を強く気に掛けていた。 ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ ＜呉＞ 【陸…

美女じゃなくておっさんと恋愛する野獣のおとぎ話 冴えない中年商人ヴェルナールは、ある嵐の夜、森で道に迷い、古びた館に辿り着く。娘ベルの婚礼にと、庭の薔薇を一輪手折ろうとした瞬間、…

この物語の主人公の「呂衣呂衣（ろいろい）」は15歳。 呂衣呂衣は一張羅の民族衣装を着て毎日、羊の「帝（てい）」を連れて甘駄安羅（かんだ〜ら）の 丘で観光客相手に写真を撮らせて家族…

現代日本から異世界へと転移してきた「ツチスケ・カミヤ」は、転移の際に入手した下法『クリエイション』を用いて、神の座を我が物とした。 七人の人造女神『セブン・デザインド』を率い、傍…