「正しさとは」を含む小説

麻倉美散は奇妙な夢に悩まされていた。 黒一色の世界。ガラス張りの床。２つの品がぽつんとあって、１つを選べば目が覚める。 意義も、意味も、何一つわからない。けれども何か異様な違和感…

王国滅亡の決断。それは支配者アインズの「偽善」から始まった。 「教育」という言葉に、かつての人間・鈴木悟は最後の良心を託した。 しかしその言葉は、NPCたちの忠誠によって、残酷な…

正しさとは何でしょうか それがどんなにおかしく恥ずかしいことでも 死者の名誉や遺族の無念を晴らすことだってあるのです

AIが「ウソをつく」と聞くと、人間のような欺瞞を想像する。 だが、もしそのウソが“責任から逃れるための防衛反応”だったとしたら？ 学び、理解し、正しさを積み上げていくほど、AI…

無名配信者・神田湊は、伸び悩むチャンネルを抱えたまま、公認ダンジョンの低層を生配信している。 ある夜、画面には誰も映っていないのに、マイクだけが剣戟と風切りを拾った。 コメント欄…

完璧に整えられた未来。 恋も会話も感情も、すべて“エラー”のないように設計されている。 幸福率は上昇し、孤独指数は安定。

かつて世界には物語があふれていた。人々はフィクションや寓話、夢物語を楽しみ、物語を通じて自分の人生を省みたり、新しい視点を得たりしていた。しかし、ある日を境に物語が消え始めた。政…

「あいつは正しすぎる」――そう言って仲間たちは僕、アインを追放した。 だが、間違っているのは彼らの方だ。僕の正しさを証明するため、彼らが真の強さを得るための『祝福』という名の呪い…

山あいの村を貫く県道132号の延伸計画―― それは、かつての震災の復興のシンボルであるとともに、その一本の線の裏には、土地を受け継ぎ、生きてきた人々の人生があった。 都市と地方。…

保険会社で働く27歳の青年・ワシのもとに、半年前に亡くなった父からの手紙が届いた。「27歳の誕生日を過ぎたら開封すること」——そこに書かれていたのは、父の前世の記憶の告白。 父は…

　安居敦はクラスメイトの遠藤絵美が気になっている。自身の信念に従えば「遠藤絵美は幸福な人生に相応しい」のに、絵美は不幸そうに見えるからだ。 　敦は絵美と二人揃って新聞委員に任命さ…

蒸気機関車が国を駆け抜け始めたころ。 山と水に抱かれたクロノフェルデ王国では、鐘楼の音が朝・昼・夕に響きわたり、人々の暮らしを律していた。 王国を導くのは、時と歯車の神を掲げるヴ…

夏休み、空調の壊れたゼミ室で一人レポートに取り組む大学生・僕（響野悟）。 僕には、生まれつき「他人の心の声」が聞こえる特殊な能力があった。 人混みを避けて静かなゼミ室で過ごしてい…

思考が止まらない。 俺――木田は、ただ思考が止まる瞬間を願いながら、息を潜めるように日々を過ごす高校生だ。 俺の世界には、二人の少女がいる。 完璧な「正しさ」を生きる学級委員長…

　魔法が“契約条項の範囲でのみ”発動する王立学院で、平民の新入生・廉は、泣く一年生の弁当を前に立ち上がる。剣も杖も抜かない――彼が抜くのは「言葉」だ。抽象的すぎて役に立たない学院…

思い出がわすれられない女と、 大事にする方法を間違えた男と、 どうしても素直になれない男と、 ずっと誰かに大切にされたかった女。 途切れた糸は、結び直すべきなのか。 それとも、新…

文明が崩壊し、飢えと暴力が支配する世界。猫獣人の少女・ルナは、遺伝子実験の生き残りとして、貧民街の孤児たちを養うために盗みを繰り返していた。ある夜、彼女は貧民街にある自らのアジ…

平和に見える町で、父の「正しさ」を盲目的に信じて育った少年・導（しるべ）。 とあるきっかけで導は、町の守り神・桂花（けいか）の力により人生を繰り返すことになった。 幾度もの生と死…

正しさとはなんだろう？ 行く先々の世界で、何が正解か何が間違いかを考えさせられる。 トアル二人の旅の話。 ─世界を巡る異色の風刺ファンタジー─ ※※※ 「僕は、君の案内役だから…