「明日は…」を含む小説

　女子高生の須久津ミコは、漫画家・藤塚章子の仕事場でアシスタント業のアルバイトをしている。 　自身も漫画家を目指しているミコは、先生の弟子として既に半年ほど奮闘していた。 　しか…

なにもかもが色褪せて、つまらない。 生きている実感のない明日香が、出会ったのは悠久の時を彷徨った吸血鬼。 この出会いを運命と言えば良いのだろうか。 夜の帳に隠れて逢瀬を重ねる。…

『ただ、生き抜くためだけに、生きた』 時は、戦火が絶えぬ乱世。そこに噂される骸衆（むくろしゅう）。 世界はただただ理不尽だ。誰かが楽をすれば、誰かが苦しむ。 戦場を漁り、物資を…

　街の人々から軽んじられバカにされているW.L.は殺人鬼になった。 　逮捕されたW.L.は裁判の結果、悪魔祓いを受けることになる。 　もしも三日間の悪魔祓いによってでも、悪魔…

　ある日、天井に張り付く顔に気付いた。顔は告げる。 　「明日は~」 　……お楽しみいただければ、幸いです。

　――好きな人に、フラれた。 　放課後の教室で告白したその日、彼の言葉はやさしくて、残酷だった。 「ごめん、俺……もう、他に好きな人がいるんだ。」 　静まり返った夕陽の中で、私…

　世界は変貌した。人は落日を迎え、輝きしき時代は終わってしまった。異なる次元と世界が入り混じり、人より遥かに強力な存在達が鎬を削る場において、人はおもちゃであり虫けらだった。最早…

ドラフト７位で入団し、七転八倒しながらもプロの世界で11年間生き抜いた高橋隆介。 アメリカ球界挑戦と迷った末に、12年目も日本球界残留を決めた。 彼を待つのは暗い明日か、悲惨な未…

僕はよりにもよって乙女ゲームのキャラクターに転生してしまったようだ。 いや、それ自体は全然問題ない。と言うか、寧ろ大歓迎だ。 僕がその美しさに惚れ込んだ侯爵令嬢と同じ世界に生まれ…

気がつけば、そこは荒廃した日本だった。 少女は自分の名前すら思い出せない。 ただ一つ、ポケットに入っていた「生徒手帳」――それだけが、彼女に残された唯一の手掛かり。 手帳に書か…

毎日三題噺をお題に小説を書け、それが出来ないならば死ね。 私は呪詛の言葉を私の中の私から浴びせられ、私は毎日小説を書く事となった。

　がらんとした自宅マンションのリビングで俺は、否応なく買ったばかりの真新しい1人掛けソファの背凭れに身体ごと...いや、やっと終わった面倒事もひっくるめて一旦預けてしまえ、とばか…

野茂尚武（のもしょうぶ）32歳は、一人ぼっちの部屋でその生涯を終えた。 怠惰に過ごした人生を後悔する中で迎えた死。 しかし次に意識を取り戻すと、彼はバブっていた。オギャってい…

【エピソード】 「ママを殺したのは自分だ」 とある街の普通の家族。遥か昔に伴侶を亡くした父、陸人、長男の陽翔（はると）と次男の照（ひかる）と従兄弟の樹（いつき）の四人で暮らし…

若いころの俺は狂ったように、周りに言われるがままバリバリ朝から晩まで働いていた。 あの日までは――。 あの日の俺も日付が変わるまでバリバリ働き。 明日の……いや、また今日バリバ…

　死にたがりの青年子爵の死の謎に、時間を巻き戻す能力を持った死神が挑む。 　時は1922年、大正時代。ある冬の朝、軽井沢の別荘に滞在中の銀行家・東條善麿の元に死神が訪れ、お前を…

私の名前はアリッサ・エーベルト、由緒ある侯爵家の長女で、第一王子の婚約者だ。 ……と言えば聞こえがいいが、家では継母と腹違いの妹にいじめられ、父にはいないものとして扱われ、婚約…

突如、異世界から現れるようになった水晶生物クリスタリカ。 神出鬼没に出現し、進歩した科学技術を無効化する『幻想侵食現象』により、人類は極めて不利な戦いを強いられる。 衰退を始め…

王女アリアと千年前の騎士アルベール。千年の隔たりは揺るがない。それでも祈りと微かな旋律が、ふたつの時代の歩みをわずかに近づける。六つの理がめぐる季節の下、王国の均衡と秘された記録…

それは生まれたときからなにひとつ、欠片も自分のためにならなくていい感情だった。 この人生がどう転んでも、明日の上空にミサイルが飛んでも、胸に飾って輝く価値や、強さのかわりに…