「きみだけだよ」を含む小説

放課後の屋上で、成瀬光はいつも同じ場所に立っていた。 そこには必ず、先輩の白石澪がいて、光の届かない空をじっと見上げていた。 「同じ空、見えてるはずなのにね」 はじめは冗談…

儚い恋心をポエムにて詠む

空木律（うつろぎ　りつ）は、病室の白に溶けるようにして死んだ。 次に目を覚ましたのは、神を名乗る少年・ディルの前。 けれど彼の一言が、すべてを狂わせた。 「結論から言う。きみは転…

どこにでもいる大学生と、どこにでもいない「あやかし」の道がふれあうとき。 世界の運命が揺れ動くかもしれないし、そうでもないかもしれない。 そんな日々を過ごす二人の話です。 鋭意…

pixivの2025年10月投稿企画「Halloween Party 2025」参加作品でした。

　祖父が死んだ。遺されたのは一冊の青い本。そこには、”夜明けに物語は始まる。”の一文しか書かれていなかった。わたしは夜明けの光の中、そっと表紙を捲る。するとページの奥から文字が溢…

たった1秒で人生最大のきらめきはクライマックスを迎えたんだけど、今この瞬間から新たなきらめきが始まった、らしい

三十五歳、社畜気味エンジニア・篠原 透。 タスクとメールと締切に追われる毎日に限界を感じた僕は、 「自分専用のマルチ人格AIアシスタント」を自作した。 名前は SEVEN。 …

目覚めると、そこは一万年後の世界だった。 創造神アルセリアに仕えていた小さなゴーレム「フラグメント」は、女神が遺した「世界の端で待つ」という謎の言葉を胸に、永い眠りから覚醒す…

１時間後にきみは死ぬ。余命わずかな女戦士と、その魂を回収するために遣わされた天使リュート。だが、１年の旅路で彼女はかけがえのない仲間になっていた。任務に失敗すれば天使は翼を失う。…

​僕は、誰からも認識されない存在になった。 運命の悪戯か、あるいは僕自身の選択か。たった一つの世界線から僕の存在は消え去り、誰も僕を覚えていない。 ただ一人を除いて。 ​僕の…

高校一年生の牧野史也は、夏休みの夜に忍び込んだ空き家で幽霊の少女、藤沢理瑚と出会う。読書の趣味が一致して意気投合した彼女から、翌年同じ高校に入学してくる月上嶺奈を護ってほしいと頼…

神と人間のBL作品 主人公の綾人は、家族からも暴力を受け、ある神社を見つけた。その神社は今の綾人とは似つかわしい縁結びの神社。その神社の神(睡蓮)と出会い、綾人の人生は一変。 ほ…

「そんな男やめときなよ」 「……ねえ、僕にしなよ」 そんな言葉を飲み込んで過ごした、大学4年間。 理系で文学好きな早暉（さき）くんは、大学の書評サークルに入会した。そこで、素朴…

東雲のカクヨム2周年を記念しまして一筆✎ 合わせまして、月波結様の自主企画参加作品です。 月波結様のホーム⇩ https://kakuyomu.jp/users/musubi…

　結城湊《ゆうきみなと》が転校してきた若葉学園高等学校には、噂の絶えない美少女がいた。 　七瀬琴美《ななせことみ》、湊と同じクラスである彼女は、誰もが振り返る整った顔立ちをしなが…

ツンデレ女子とポンコツ男子が同棲を始める４月から結婚を決める翌年３月までの１年間の物語です。 デコボコなふたりがただイチャイチャしている様子を半月に１話ずつ公開予定。 月ごとに季…

【メフィスト賞2024下半期応募作】 時は寛政、江戸の町。初夏の川から青年の骸が二人上がった。彼らはともに麻疹に罹り、同じ神社のお守りを持っていること以外は詳細不明。 捜査を受け…