「つかあま」を含む小説

某国、某時代、二カ国の戦争によって両方のルーツを持つ人間、あるいは敵国の配偶者を持つ人間は最前線、決死隊へと送られた。 平和な時代が再び訪れ、妻子の元に帰る事だけを夢見て戦い続け…

図書館司書として働く、高野星香は、ミモザの花を見ると、いつも思い出す人がいる。 大学生時代、図書館の隣の席で本を読み合っていた、『彼』の事を。 『ミモザの君』と、名付け、恋…

「私は人を殺す時はブロンドでやるの。」 絢子はタクシーの中でそう言いながら、ブロンドの長い髪のウィッグをとった。その下には肩につかないくらいの白い髪のボブヘアー。

奥森は考えていた。 昨年、意を決して参加したカクヨムコンテスト。リアルとの折り合いがつかず参加を断念してしまった。 今年も参加が危うい。 自身を参加に追い込むために記録を書こ…

マックスは幼い頃から霊感が強かった。物心のつく前は、生きている者と死んでいる者の区別がつかなかった。しかし、成長するにつれて違いの分かる男になると、霊体に欺かれないように注意深く…

とある、いにしえの神話の話をしよう。 後に勇者と成る少女と、隻腕の怪物による〈神話のはじまり〉を。 少女エヌナは、最も貴き神の申し子として生まれた〈勇者〉だった。 エヌナは勇者…

　三十路目前の男である間宮良介が駅のホームで偶然拾ったキーホルダー。 　そのキーホルダーの持ち主に偶然に見かけて手渡そうとするが、人一倍警戒心の強い女子高生の瑞樹志乃に徹底的に罵…

魔女の祝福か呪いか。 一切の身体の成長が止まった少年がいる。 少年はラティフと名乗る。 ラティフはさしたる苦労もせず年齢を重ねた。 ラティフの父は裕福で、兄たちも立派に働いている…

隆一は古書店で手に入れた「特別なみそ汁」のレシピに導かれ、奇妙な儀式を行うことになる。月明かりの下で汲んだ水を鍋に入れ、大切にしていた家族写真をそばに置き、素手で味噌を溶かして口…

普通のゲーム好き会社員である雄介が、ある日突然宇宙の果て（？地球の方が果てなのでは・・）に連れ去られ、地球への帰還を渇望し旅にでる。 ただ、地球がどこにあるのか皆目見当もつかず、…

ある晩、お風呂を沸かそうとするとボイラーがつかなかった 「小説家になろう」にも投稿しております。

人が怒るのは… 人それぞれに器があってさ、おチョコかい？いう人もいれば、デカい人もいて…千差万別よね…その器の中には、まず何が入ると思う？悲しみ、切なさ、孤独、悔しさ、後悔……e…

　三千の大軍に包囲された古城。 　それに対峙するのは、たった六人の守備隊。 　圧倒的な戦力差の中、16歳の姫は静かに微笑む。 「数式が導く勝利の道筋は、必ずあるはず」 　アイリス…

夏休み明け。元ヤンの主人公、京智幸（かなぐり ちさき）のクラスに不死川（しなずがわ）ありすという転校生がやってくる。 それはある財閥のお嬢様であり、物腰の柔らかさと誰に対しても分…

ダンジョンというものが世界中に現れて40年。いつ、どこに現れるかわからないそれは人々を恐怖させた。中から這い出る異形の怪物たち、モンスターと呼ばれるそれらは好んで人を襲う。銃など…

22世紀の現在、科学の進化は止まることを知らない。 それは必ずしも人類に聖なる影響ばかりを与えたわけではなかった。 科学力を持つものが優遇されつつある今の社会構造に疑問や不信、不…

やり直し過程で、カットした話

空想技師集団の人物表 或日野文之(私)｛あるひのふみゆき} 　「タイラカナル総合図案」なる会社の営業部につとめる真面目な青年。本編の主人公。 工辞基我陣｛くじもとがじん｝ 　課長…

　僻地で奇跡を量る青年は暮らしていた地を離れることになった。 　成り行きで出会った少女とつかず離れずの距離で生きてゆくことになった少年は、自身の過去と少女の目的と向き合うことにな…

幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。 学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリア…