「忘れて」を含む小説

　ある日、私は館に集められた。そこに居たのは少女が三人とメイドが一人。私は病にかかっており、メイドに言われるまでもなく心当たりはあった。 　人生の終着点――それが『渦の館』。 　…

他人でしかない私にとって「真琴が生きていた証」は真琴に関する記憶しかない。

今日は３月１４日。 おーい、なにか忘れてませんか？ いつもなら、学校に行く前にもらえるはずの幼馴染からのお返しがなく。 いや、別にいいんだよ？ お返しっていうのは、本来気…

ヒマワリを片手に、私はあなたへ会いに行く。

幸せを願う。 大切な人を忘れようとも、ただその思いだけを抱いて生きていく、生きていた人たちのその一幕、一瞬を。

死神と名乗る彼女を見た時、俺は思わず呼吸を忘れた。 どうやら俺は、もうすぐ死ぬらしい。 行き場のない感情を捨てきれずにいた俺は、死神と共にその終幕を待つ。

全く記憶がない状態で森の中で目を覚ました少年、持っていたものはポケットに入っていた鍵だけだった。森からの脱出を試みるが、そこは危険な森で…。失われた記憶を求めて自分のこともわから…

歳を取らない少年の独白 ※世界観は現代ファンタジーですが、小説内に現代描写は皆無です。 ※小説家になろう様でも「歳を取らない僕が、死んだきみの未練を愛おしく思うワケ」で投稿…

　東京で販売員になった社会人1年目の畠山由紀(はたけやま・ゆき)は、いつもお守り代わりに琥珀のペンダントをしていた。高校の時に付き合っていた彼氏、小野寺聡(おのでら・さとる)にも…

衆目美麗な年上婚約者、伯爵令息のデイヴィッドはいつも優しいけれど何処か距離を感じる。婚約者として仲を深めたいのに肝心なことはいつも曖昧。どうやら病死した最初の婚約者オリビアのこと…

田舎町・常磐町の郵便局員である広人は、古びた局舎の地下室で大正時代の未配達手紙を発見する。差出人も宛先も霧散したそれらの手紙には、戦争、別れ、秘めた恋――町の忘れられた歴史が刻ま…

高校生の入澤 璃奈(いりさわ りな)は、同級生で恋人でもあった東海林 陽花(しょうじ はるか)から別れを告げられてしまう。 陽花のために何もかもを失ってきた璃奈は、その言葉を受け…

幼なじみはいつか両思いになれるものだと、勝手に信じ込んでいたのだが…現実はそう甘くないみたいで。好きな人の好きな人は─…私の友達だったらしい。大好きな人の恋愛相談に乗るなんて、ま…

注：コンテスト出品の都合上、下記の紹介文にはネタバレを含みます。 　何の変哲もない、一介の会社員である「俺」は、ある日の仕事帰り、ふらっと立ち寄った喫茶店で、ある一枚の絵画と出…

少年と少女は、何年も前に異国の地で擦れ違っていた。忘れられた一時の、二人の異なる出会い。

金曜の夕暮れ。 春の風が吹く駅のホームで、大吾は人生初めてのデートに向けて緊張していた。 約束の時間を前に、彼の心は期待と不安で揺れている。 しかし、そのとき現れたのは――懐かし…

橘財閥の御曹司である遥は、両親のせいで孤児となった少女を引き取った。純粋に責任を感じてのことだったが、いつしか彼女に惹かれていき——。 初出：2016-07-01〜2017-0…

空色杯 ハーフタイムフェスティバル参加作品。あの時の気持ち人立ち返って、始まりを描いてみました。 登場人物 東海蒼空 あずみ　そら こんペンギン？ 国立大学教育学部出身 教…

幼い頃ハヴォルス侯爵家の養子となったミアナ 膨大な魔力をもち、成績も良いミアナは日常の記憶がすぐに抜け落ちてしまうことに悩んでいた。 そんなミアナを義兄のアルによって支えられて過…

霞ヶ関千春は「永遠の記憶」を持つ少女だった。死んでもなお、違う魂になって生き返り、数え切れないほどの人生を繰り返してきた。しかし、どれだけ時を経ても、彼女の記憶だけは消えること…