「でも覚えている」を含む小説

私は走っていた。 意識がハッキリしない。さっきまでバーで呑んでいたからかもしれない。 後方からまた悲鳴が聞こえてきた…。 覚えているのは残業で遅くなったこと、彼とバーへ行ったこと…

皆様は、妙にリアルな夢を見て、起きてからも鮮明に覚えていることがありませんか。 夏目漱石先生の「夢十夜」風に、筆者が見た夢を書き残していこうと思い筆を執りました。 書き残せる…

　大学卒業後、学習塾に就職した目黒由紀は、たった三ヶ月でリストラを宣告される。再就職先は、地方にある小さなパソコン販売会社「フューチャーテック大崎」。文化祭のような混沌と熱気の中…

僕の町には、しゃべる横断歩道があった。比喩なんかじゃない。実際に人と会話し、冗談や褒め言葉もかけてくれる横断歩道だ。 僕の実家はその横断歩道のすぐそばにあった。だから、横断歩道と…

みね子さんとかストレイシープとか、断片的には覚えていたが、どんな筋だかすっかり忘れてしまった。 青春の爽やかな印象だけは覚えている。という訳で、日々の嫌な日常に追われる中で、その…

この世界には何かがあった。だが、覚えているものはいない。しかも、それからどれだけ経ったのかも、みんな気にしなくなった。 ４人で廃墟と化した世界で暮らすミコは、瀕死のミヤを助けるた…

短いです。 誰かの心に残れたら幸いです。

君を覚えているのは、AIだけだった。 朝起きたとき、僕の名前はこの世界から消えていた。 両親も、友人も、僕を知らない。SNSの投稿は削除され、学校の名簿からも僕の名前はなかった…

気づけば、隣にいる妻の名前が違っていた。 娘の笑い声も、どこか知らない音だった。 それでも俺の記憶には、確かに“昨日までの家族”が残っていた。 地図、履歴、メッセージ、そして…

最後に覚えているのは、母親が連れてきた男に殴られたところまで。 賽の河原に来ることになった亜里砂は、賽の河原改革をすることに。 お地蔵さまや閻魔大王まで巻き込んで、果たしてどうな…

教室には、空席がひとつある。 誰が座っていたのか、誰も思い出せない。教師も、クラスメイトも、名簿も――すべてがその存在を否定する。 だが、美咲だけは忘れていなかった。 彼の名前…

古来より、魔法には呪いがついてまわる。 田舎者のアイラは、王都の司書になる夢を追い、王都で魔法図書の扱いを学ぼうと意欲に燃えていた。 だが彼女には「魔法を使うと眼鏡が壊れる」とい…

世界はまだ、 静かに、色を閉ざしていた。 歩き続ける足元には、 誰の足跡も重ならない。 それでも、 遠い記憶のように、 確かに誰かの存在を覚えている。 風が揺れるたび、 ふと、あ…

上里（かみさと）高校のどこにでもいる普通の学生、一ノ瀬渉（いちのせわたる）は平凡な日常に飽き飽きしながら、どうでもいい日々をなんとなく生きていた。今日もまたなんでもない一日が始ま…

幼いころから“感じてしまう”ことが多かったわたし。 見えない存在、繰り返す不調、そして“導かれるような出会い”の数々——。 京都、沖縄、神社、龍、巫女。 やがて明かされていく魂の…

「宗介！！帰ってきたのね！！」 泥棒をしようと忍び込んだ家で、老婆に見つかってしまった透（とおる）。 終わった……と思ったが、優しく抱きしめられ、「大好きだったじゃない」と磯部…

笑い声、涙、そして風に消えた想い――それらは儚くも確かに世界に刻まれている。出会いと別れ、喜びと悲しみが交差する中で、人はなぜ生き、なぜ心を動かすのか。誰にも知られない感情でさえ…

一度は叫んだあのセリフ、貴方は覚えているだろうか。 チョキチョキ

時代・世界線を超えて人々は様々な想いを星に込める。込めた想いをすぐに忘れてしまう人もいれば、生涯を通して想いを紡ぐ者も存在する。そして、星々は一度込められた想いは決して忘れない。…