光の声を聞いた日

@runako99

第一章:目に見えないものが、あるって知ってた

第一話

小さいころから、わたしはちょっと変わってた。



いや、正確には——




「人と同じように感じられない自分」に

気づくのが、早かったのかもしれない。




たとえば空を見上げたとき。


雲の流れの中に、なんだか“話しかけられてるような気配”を感じたり。


夜、布団に入ると、誰もいないのに隣に“何か”が座っているような、

そんな、ふわっとした違和感に息を潜めた日もあった。


「気のせいだよ」



「怖がりすぎだよ」




って、友達に言われるたびに、


“あ、やっぱりこれは言っちゃダメなやつなんだ”って思った。


だから口にはしなかった。



でも、感じる力は、どんどん強くなっていった。


学校ではちゃんと笑っていたし、

家ではちゃんといい子をしていた。



でも、心の奥のほうでずっと——



「この世界のどこかに、“ほんとうのわたし”がいる気がする」




そんな、うまく言えないもどかしさが、

ずっと、ずっと、わたしの中で小さくうずくまっていた。

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