概要
「もうない場所」の地図が、古書店に届いた。
古書店でバイトする高校生・楽々浦夜のもとに、手描きの地図が届く。
描かれているのは、今はもうない場所ばかり。
映画館、銭湯、駄菓子屋——赤いバツで記された三十五箇所。
だが一箇所だけ、まだある場所に赤いバツがついていた。
地図の描き手を追う夜の前に、興信所のバイト、刑事、そして後輩の少女がそれぞれの理由で交差する。
描かれているのは、今はもうない場所ばかり。
映画館、銭湯、駄菓子屋——赤いバツで記された三十五箇所。
だが一箇所だけ、まだある場所に赤いバツがついていた。
地図の描き手を追う夜の前に、興信所のバイト、刑事、そして後輩の少女がそれぞれの理由で交差する。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!古地図に刻まれた「もうない場所」から紐解く、町の記憶と後悔
月読峠を舞台に、古書店員、興信所員、刑事が、謎の「もうない場所」を描いた手描き地図を通じて交差する連作ミステリだ。巨大な蛇の化石発見という特異なニュースを背景に、町に眠る記憶と個人的な後悔が静かに浮かび上がる。五感に訴える繊細な文体で、存在しないはずの建物の跡や届かない言葉を丁寧に描写。単なる謎解きに留まらず、自身の過去を「訂正」しようともがく人々の心理が、地図の赤バツ印に象徴されている。
静謐な雰囲気のミステリや、複数の視点が重なり合う構成を好む読者。また、地図や古書店、郷愁を感じさせる設定に惹かれる層におすすめできる。