花の色は移ろい乍ら散って行く。 それは自然の理であり誰彼からの賛辞も懸想も、何処吹く風。 散っては落ちる 川面の上。桜の花の下には川が流れる。 花の終わりの吹雪の中を薄紅色の龍が舞う。長い川面に浮き沈み、時に玉兎の様な紅い瞳で睨みを効かせ、静々と滔々と、大海を目指しては 桜色の身を翻す。連綿と連なる花弁の可憐さ。 川面に集まりて貌を成す。恰も龍に準える粋と、それに応える紅い瞳。 美しく幻想的な花道を征く。
古き良き時代の日本映画を見ているようです。市川右太衛門が主役をしていそう。文字だけでこんなに美しい風景が描けるなんてすごい。目前で竜の尾が消えていくのが見えるようです。
綺麗な言葉の連なりです。情景が目に浮かび、なんだか切なく爽やかな気持ちになりました。
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