蝶が蜘蛛に捕らわれて、喰い殺される。その有り様を残酷だと、それを止められなかった自身を怯懦だと責める兄を“父”は優しく教え諭す。その過程は、この庭園の生態系の一部なのだと。否定すべきものではないと。けれど、兄がその「生態系」を理解したとき、それは自身も「生態系」へ組み入れられる時だった――。「生態系」へ組み入れられることを拒む弟の選ぶ先はいずこなのか。人間はきっと、生態系を自ら選ぶ生き物なのだろう。美しさとおぞましさの絶妙な配合でそれを描き出した短編。
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