どこからともなく、土の匂いが漂ってくる。幼い頃、土に触れていたあの頃、私の記憶は寂しいもので。その寂しさと渾然となった土の匂いが、いまや泥のようになって、私にのしかかってくる。それでも、あれから時は経ち、私の身体は大きくなり、その手は土から高く離れて。のしかかる匂いにあらがい、今日も歩み続けている。この物語は、そんな日々を送っている人に向けられた歌なのかも知れません。
土の匂い。ジャガイモの匂い。大地の恵み。力強い匂い。都会の街の中。主人公は、そんな匂いするはずないのに、土の匂いを感じ、不快に思う。不快。人によって感じ方は違う。主人公はなぜ、しないはずの土の匂いを感じ、ソレに嫌悪するのか?ぜひ、お読みになって、その真相を確かめてください。あなたの、イヤな匂いは、何ですか?