かなり面白い、痛み、出血ではなく、行方不明&不穏ホラーです。未知の世界に足を踏み入れる怖さはたまりません。作品レベルの割に評価が少ないです。これはもっと知られるべき。
飲み込まれる。呑み込まれるしかない。先の展開が読めないし、先を読もうと、その深みの底が見えない。見えないからこそ好奇心で先に進んでしまう。各々の語りも、わけのわからない話なのに、何故か不思議と分かってしまう感じがして背筋をゾクゾクさせてくる。この感覚、ホラー故にたまらないね。
いくつものモキュメンタリーやモキュメンタリー風ホラー作品を読んだけれど、それらとは一線を画していた。
心理テスト、世紀末、カルト……あの時代の特有の熱に浮かされたような怖さが、見事に言語化されています。 単なる都市伝説ではなく、「大人として子供を守ろうとした結果、世界から放り出された」老婆の虚無感が、ラストの「アンタ、子どもいるかい?」という問いに集約されていて鳥肌が立ちました。 彼女が30年かけて集めた121冊の「偽物」。その中身を覗きたいような、覗いてはいけないような、抗いがたい誘惑に囚われています。