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概要
「現像しないで」――あの夏、27枚の光に閉じ込めた、名前のない恋。
二〇〇二年、夏。
十一歳の僕は、隣に住む十七歳の凪沙(なぎさ)さんから一台の使い捨てカメラを託される。
「これで、湊くんが見た『夏の秘密』を撮ってきなさい」
ファインダーという小さな四角い枠越しに、僕は大人たちの「名前をつけられない想い」を目撃していく。
放課後の旧校舎、重なり合う少年たちの影。
鏡越しにしか触れ合えない、兄妹の静かな絶望。
そして、僕を見つめる凪沙さんの、悲しいほどに震える指先。
社会のラベルに当てはめれば「異常」や「禁忌」とされるそれらの光を、僕はただ、ありのままにシャッターに収めた。
「いつか、私たちが自分の名前に納得できたら。その時に現像しよう」
それが、僕たちの交わした、現像されない明日への約束。
使い捨てカメラのカウンターが「0」になる時
十一歳の僕は、隣に住む十七歳の凪沙(なぎさ)さんから一台の使い捨てカメラを託される。
「これで、湊くんが見た『夏の秘密』を撮ってきなさい」
ファインダーという小さな四角い枠越しに、僕は大人たちの「名前をつけられない想い」を目撃していく。
放課後の旧校舎、重なり合う少年たちの影。
鏡越しにしか触れ合えない、兄妹の静かな絶望。
そして、僕を見つめる凪沙さんの、悲しいほどに震える指先。
社会のラベルに当てはめれば「異常」や「禁忌」とされるそれらの光を、僕はただ、ありのままにシャッターに収めた。
「いつか、私たちが自分の名前に納得できたら。その時に現像しよう」
それが、僕たちの交わした、現像されない明日への約束。
使い捨てカメラのカウンターが「0」になる時
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