【短編】狐の嫁入り
ムスカリウサギ
カクヨムコン11短編
本編
――
――きら、きら。
低い空から飛び込んでくる、鋭い夕の陽の光の中を。
ぽつら、ぽつら。
けれど
長い長い、
「――なんだいなんだい。嫁入り前の娘が、やけにうら
湿った
ぽつんとちょこんと座りこむ、
「ごめんなさい、御父様。
果たして答えを返すは
「……
あまりに
ひょっとしたらと
「いいえ、いいえ、御母様」
けれどもキヅは
慌てるでもなく
水気を含んだ冷たい夕風、ひゅうと吹き付ける冷気の中で、口元を寄せて、白い吐息と穏やかな声で、ふわりとふるりと否定する。
「
知ってか知らずか、無意識か。
キヅのその小さな
「……そんな
「こっちまで
ネヅとサキは、
彼らとて
「ごめんなさい。
だらりと地を
「この連なる
長い長い、提灯行列。永遠続く流れのように、
「……
溜息混じらせ、ネヅは
永遠、変わらぬ物など無くて。
分かっているのに、分かっているから。
「――もうすぐだ。もうすぐ着くよ。花婿の元へ」
右と左に別れて並び、
やがて
そここそ、
ぼうぼう、きらきら、指し示す。
「
連なる
すべての
「――さあ着いた。……おいでませだよ、
ネヅは高らかに声を上げ。
「キヅを、花嫁を、連れてきたよ!!」
サキもまた、張り裂けそうな叫びを上げる。
やがて、
キヅはすくりと
ぼやんと
「御父様、御母様」
くるりと振り返り、キヅは笑う。
「ここまでありがとう。――
わっと大きな
それは、ものの
「……ああ。……
ただひとつ。
居なくなったのは
「婿様、どうか、キヅをよろしくお願いします……」
ぽつん、ぽつんと、雨が打つ。
お山の向こうにすっかり沈んだ、
――
遠く、遠くから、
近くて遠くに
――
鬼の居ぬ間に、
鬼の
「――ちっ。やけにうら
「いいえ、あんた……。これは
夕陽も沈んだ暗がりの中。
気付けば雨も、止んでいた。
【短編】狐の嫁入り ムスカリウサギ @Melancholic_doe
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます