家族や老い、認知機能の低下を扱ってる作品なので、この表現を使っていいのか自信がないのですけど、しっかりした仕掛けのある短編。読んでいく中で、「ああ、こういうことなのか」と発見があるという意味では、とても面白いです。主人公の視点と読者を近づけ、体験するように表現し、小説として仕上げているのが、単純にすごいです。老いたり病気になったり、とこれまでの普通が難しくなると辛くなるものですが、それでも変化していくことに愛情深い眼差しを向けているからこそ、描けるのだと思います。読みやすいですし、多くの方にお勧めしたい作品です。
もうね、認知症が他人事ではない年齢に差し掛かってきているので、途中はマジで怖い。本物のホラーです。日常が崩壊していく。これ以上に怖いものはない。救いは無い。でも、ほんのちょっとだけ、これも幸せの側にあるんだなと思いました。
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