Take Knowledge EP02:臓器移植と不老長寿(応援達成による追加話)
C国の指導者・喜氏とロシア大統領P氏が、国連会議の合間に並んで歩く姿が撮影された。
直後、出所不明の音声データがネット上に出回る。指向性マイクを用いて、二つの権威主義国家の最高権力者同士の会話を拾ったものではないかと噂された。
「人類は200歳まで生きられるかもしれない」
「臓器移植に頼れば可能だ」
* * *
『バウバウギニュース』C国語版は、専門家の見解として、現場で偶然にも両者が臓器移植や不老長寿に関する話題を交わしていた可能性があると伝えた。
同ニュースによれば、医療技術の進歩に伴い、移植された臓器が人体内で機能する期間は年々延びており、症例によっては移植後50年以上にわたり良好な状態を保っているケースも報告されているという。
一方で、専門家は、臓器移植技術の主な目的はあくまで疾病の治療および生活の質の向上にあり、人間を200歳まで生存させることを想定したものではないと指摘している。
* * *
ドン!
P氏が拳で机を叩いた。
「俺を馬鹿にしているのか!」
「臓器移植で200歳まで生きられるだと?」
「三歳児を騙す気か!」
「偶然収録? 完全に自作自演じゃないか!」
「我が偉大なるロシアの冷凍兵士技術の前で、よくもそんな真似ができるものだ!」
* * *
100年以上後。
『バウバウギニュース』の現地中継によると、今回の国連会議を終え、C国の指導者が会議場から姿を現した。彼がすでに200歳に達しているとは想像しがたいほど若々しく、外見はほとんど変わっていない。
百年前、彼と並んで歩いていたロシア大統領の姿を思い出すと、感慨を禁じ得ない。
C国の指導者・喜氏は、ちょうどカメラの方を振り返り、手を振ると、珍しく歯を見せて微笑んだ。
ニュース生配信のチャット欄はたちまち騒然となり、話題は長寿の問題から離れなかった。
「おかしくない? この人、全然老けないんだけど!」
「昔から歯並びって、こんなに乱れてたっけ?」
「人の歯って、あんなに綺麗だったのが、どうやってここまで乱れるんだ?」
「英語も上手くなってない?」
「まるで別人みたいじゃないか?」
テイク・ナレッジ 〜Take knowledge〜近未来SF短編集 wosopu @wosopu
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