えっせいと、考える。『龍踊り』
サカモト
龍踊りを天気で考える。
龍踊りを天気で考える。
龍踊り、雨の日の場合はどうなるのか。はたして、あの龍は防水加工処理されているのだろうか。
その質感は個人的に未確認事項であり、この先の生涯において、確認する機会が訪れることは限りなく無にちかい。
むなしい、生涯だった。
そんな生涯は生涯として、とうぜん、龍が踊る日が晴れならいいだろう。龍と青空はよく似合う気がする。晴れているので、龍にさした棒を掴む人々が、急遽、雨合羽を着る必要もない。雨合羽のごわごわ感で動きを制限されることもなく、みな、かろやかに動き、舞い踊ることだろう。
いっぽうで、龍踊りには、見逃せない大きな気がかりがある。玉だ。
そう、あの玉。
龍の鼻先に浮かんでいるこんな玉→〇
龍踊りが披露される際、龍の鼻先に浮かばせている、あの玉は、いったいなんだろうか。
あの玉は、龍の所有物なのか。かりに、草野球中に打ち放った場外ファールボールをあの玉に的中し、破壊した場合、弁償は龍に対してするのか。
ただ、それはそれとして、どうも龍は、あの玉を追いかけている気配がある。いや、龍自身は自分は、あの玉を追っていることを周囲にばれないように演じているつもりかもしれない。だが、ばればれだ。もしかして、あの玉は、龍にとってカーナビ的な存在かなのか。龍はあの玉がないと、目的地にいけないのか。あいつは、あれがないと、どこにもいけやしないのか。
もしも、龍があの玉を無くした、あるいは、見失ったとしたら。
いや、実は龍の本体は、玉の方である可能性も否定できない。なるほど、そういうことか、どうりで、龍の身体をいくら攻撃をしても無駄なはず。ありったけの攻撃をしても、きいてやがらねえ。
だとすると、やはり、龍にとって、あの鼻先に浮かぶ玉は重要なものになるはず。
となれば、例えば、龍と間に個人的なプライベート問題が発生したとき、まず、あの玉を確保するしかない。かした本を返さない龍とか、飲み会参加の返信をいつも当日にしか返さない龍、もしくは参加予定の飲み会を当日キャンセルばかりして、なおかつ発生したキャンセル料も払わない龍などとやり合う場合、真っ先に、あの玉を確保してしまえば、もはや、こっちのものだ。龍は精神的に来るだろう。
もしかすると、あの玉には、他の龍の連絡先とかも登録されているかもしれない。現金を持ち歩かない龍は、あの玉に電子マネーが入っているかもしれない。
いっそ、ドローンにあの玉をくくりつけて、龍を遥か彼方の喜望峰まで誘導して遠ざけることだって可能だ。無論、その際、領空侵犯の恐れがあるので、充分な注意は必要となる。龍を喜望峰へ向かわせようとして、国際的に怒られて、仕掛けた自分の人生が絶望の方へ行きかねない。
そう、玉だ。とにかく、あの玉さえ攻略してしまえば。
龍に、ビクトリー。
それはそうと、龍踊りは雨乞いのための儀式らしいので、むしろ、雨の日にやってもいい気はしています。
えっせいと、考える。『龍踊り』 サカモト @gen-kaku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます