根絶やしにしたいわけじゃない、でも人里には降りてきてほしくない……

生態系のバランスというのは難しいものです。
自然界の食物連鎖というものは、人間の存在抜きで完結しているものです。
そこに余計な介入を行えば、バランスは崩れて当然です。
本エッセイにもありますが、実際に日本ではニホンオオカミという実例があるわけです。

とはいえ、熊が人里に降りてきたら、もはや殺処分もやむ無しというのもわかります。
熊は山にいるからこそ完結しているのであり、人の生活領域においてはお呼びでない存在なのですから。
私はそんな殺処分される熊には特に「かわいそう」などとは思わないですが、それでも「山にいる熊を根絶やしにしてしまえ」とは思わないわけです。
上記のような生態系のバランスもありますからね。
そんな1か0しかない極端な思想で生態系が語られてたまるかという話ですよ。

熊を殺さねばならない現実と、殺しすぎてもいけないという事実。
生態系というものを正面から見据えた、実に現実的なエッセイでした。