あんまりにも醜く、そしてみっともないマウントの取り合い!
ただ羨望を浴びたい、人よりも抜きんでいるという優越感を得たいというほんの一時の快感の為だけに、なりふり構わず虚飾で己を飾り立てる……!
お嬢様方たちの人としての器のタカが知れるというものです。
無知で無学で無教養な者ほど、この手の空虚な優越感にこだわりマウンティングをするようですが、各お嬢様方のご家庭はいったいどのような教育をなされていたのやら……。
各貴族の領地の将来に不安を感じずにはいられません。
おっと失礼、人間性マウンティングでございます。
さて、皆様におかれましては、この下等な争いを「下賤でみっともない」と笑うことができる、立派なお心をお持ちの方々ばかりかと思われます。
せめてこのかわいそうなお嬢様たちを笑って差し上げてください。
それが彼女らにとって、幾分かの慰めになりましょう。
……よもや、あなた様は他所でこのようなマウンティングをなさってはいませんよね?
マウンティング。
それは己の価値をかけたバトル。
あなた方は指をくわえて、羨しがっていればよろしいの。
選ばれし者にしかできない競技なのですから。
報酬は、下々からの羨望のまなざし。
爪に火を点すような苦労をしてでも、この瞬間にこそ意味がありますわ。
――――あら。
ライバルがいらしたわね。
けれど絶対に負けなくってよ!
ええ、お母様の名にかけてでも。
……というような感じでしょうか。
友人の結婚式に招待されたセレブリア。四大貴族のご令嬢です。
国内屈指のマウンティストである彼女が、このチャンスを逃すハズがありません。
あまたの猛者の膝を土につけたマウント技で、受付の主役になろうとします。
いやはや、この芸の細かさ。
ストイックかつ熟練の域に達したテクニックに、ゲラゲラ笑わずにはいられません。
しかし主役候補は彼女だけではありません。
東西南北から集結したマウントお嬢様たちの、華麗なる競争の開幕です。
強烈なシナジーによって生み出される、多種多様なマウンティング。
矮小なレビュワーは、指をくわえて見ているしかできませんでした。
さてさて。
今回のマウンティング大会の勝者は?
やっていることは卑しいものの、みんなにすごく親近感がわきました。
とても面白かった。
オススメです!
見栄。虚飾。それに振り回される人間たちは、なんと滑稽で、そして愉快なことか。
友人であるステューシーの結婚式へと向かったセレブリア・イーストット。彼女は周囲へのマウントのため、あえてご祝儀に大枚をはたいて見せる。
これで勝ち誇れるはず……だったのだが。
対抗するは四大貴族のジュエリー・ウェスタニア、メルカリーナ・サウスタニア、ライツ・ノーザンベルの三人。
四人はプライドを賭け、あらゆる角度からのマウントの取り合いを始めることに。
この何とも言えぬ浅ましさと、「そういう切り口が!」と次々と出てくるマウントの多様性がとにかく楽しかったです。
そして迎える結末、からの更なる意外なラスト。とにかく笑わされっぱなしでした。
それ以上に気になるのは、サウスタニア家のメルカリーナ。この人は公益で財を成しているとされますが、具体的にどんなビジネス形態を主としているのか。
やはり、庶民にフリマをやらせて手数料から稼いでいる感じでしょうか。