アスファルトの中に光る銀

 ごきげんよう、夏緒です。

 話題の絶えないおうちで暮らしております。お星さまありがとうございます! そして時間がない。時間がないぞ。


 今日はお舅さまのお話です。

 端的に言いますとお舅さまただいま長期入院中です。二年前の夏に心不全が発覚しまして、緊急入院して以来一度も家に帰れていません。もう帰宅できることもありません。

 二年前の春先にね、お舅さまのおつかいに着いて歩いたんですけれども、その時にずっと肩で大きく息をしていまして、あれ、お舅さまってこんな呼吸の仕方だったかな、と思いました。しんどいの、と聞いたら、うんちょっと疲れた、でも大丈夫。としか言いませんでした。それ以降ではお姑さまが、おじいちゃんずっと寝てるのよ、ずっと寝てて気づいたら寝てる。鼻が詰まる鼻が詰まるばっかり言う。と言っていました。

 お姑さまの文句がすごいので、鼻が詰まる鼻が詰まるうるさいと。なので、夏の始まりに義妹さんが嫌がるお舅さまを無理やり耳鼻科に連れて行ってくれました。

 そしたら耳鼻科で、ここじゃない、内科に行きなはれ、と言われ、慌てて最寄りの内科に駆け込んだら、そこでもここじゃない、ここでは何もできない、連絡しといてあげるから急いで総合病院に行きなさい、と言われて、そこで心不全と診断されました。冬までもたない、と言われました。


 そのまま緊急入院したところでわたしの方にもすぐに連絡があり、急なことだったので目ん玉飛び出るくらい驚いて、そこからずっとお見舞いに通っています。義妹さんは遠方なので、時々しか来ることができません。

 総合病院は長くても二カ月しかいられません。なので、最後まで看取ってくれる病院を探してもらって転院しました。総合病院の頃は週に四回、自転車に乗って、お姑さまとわたしで待ち合わせをしてお見舞いに通いました。面会は二名まででした。転院した病院までは、これまたお姑さまと二人で、今度は電車に乗って週に二回、お見舞いに通いました。ここも面会は二名まででした。お姑さまもすっかり年をとったので今は耳が悪く、物忘れも酷いので、お姑さまひとりで病院までうろうろすると危ない上に、お医者さんや看護師さんの言葉が聞こえないそして大事なことを言われても覚えてないので、わたしが付き添いの名目で全ての手続きをしました。

 転院した病院はとても良いところだったんですが、いろいろな事情があって一度始めの総合病院に戻されました。それからまた別の病院を紹介してもらい、今はそこに一年以上旦那の車で通っています。面会人数に制限がかからなくなりました。いつその時がくるかわからないので。


 でもさ、半年もたないって言われてからかれこれ一年半以上経ってんだよね。じじい元気なんよ。わたしの代わりにお見舞いに行ってくれた上の子くんが一度ぽろりとこぼしました、「じいちゃんさ、あれほんとに死ぬんか?」と。そうなんよね、その気配ないんよ。

 いや確実に弱ってますよ。ほんとに、もう点滴なしでは心臓動いてないくらいなんです。ベッドから離れることはできません。時々具合悪そうなときもあります。でもめっちゃご飯食うの。お姑さまが持参した果物なんかもガツガツ食ってんの。なんか、思ってたんと違うの……。笑

 転院を繰り返していたときには少しせん妄状態もあったんだけど、お舅さまは基本的に仏みたいに穏やかな人なので暴れることもまったくなく、看護師さんたちからも感謝されてるくらいです。入院費用だけが膨大にかかっています。

 いつまで続くのか、どんな心持ちでいればいいのかわかりません。お舅さまが家にいないおかげでお姑さまのお世話もメンタルケアも、保険やら相続やらなんやらのカネの話もご近所さんへの気配りも旦那や義妹さんとの関係性もメンタルケアも、全部わたしにのしかかっています。二家庭ぶん面倒をみています。誰かわたしを大黒柱と呼んでおくれ。


 あーんしんどーい!! 時間がなーい!! 分裂したーい!!

 ではまた。

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朝焼けに宝石箱が虹色の森 夏緒 @yamada8833

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