日常の視点で、宇宙のスケールを感じさせる静かなSF。

この作品の魅力は、宇宙を大げさに語らないところにあります。
学校や移動、日々の出来事といった身近な感覚のまま、視点だけが自然と宇宙へ広がっていく。その距離感がとても新鮮でした。

冒険譚でも研究SFでもなく、けれど確かにSF。
特別な事件が起きなくても、考え方や視線が少し変わるだけで、世界のスケールが一気に広がることを静かに教えてくれます。

読み終えたあと、空を見上げる感覚が少し変わる。
そんな余韻を残してくれる、静かで印象深い作品でした。