概要
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- ★★★ Excellent!!!一粒の麦 地に落ちて死なずば唯一つにて在らん
この物語は、冴えない優等生のキリルと快活な学校一の人気者であるユリスの交流を描いているように見えます。
しかし実際は、反政府組織を摘発しようとするキリルと反政府的な行動目的の為にオルグ活動を行なうユリスの策謀の物語です。
作者である燈さんは、二人の立場を象徴的に描きます。
二人の政治的な信条さえ明瞭には語られません。
舞台は、おそらく共産的集団指導体制を敷く架空の全体主義国家。
自由を声高に言い募るためには、命を代償にしなけばならない国の物語です。
物語の構図は明快です。
ユリスは、抑圧的な政府の体制を壊して自由を手にしようと画策します。
密かに彼と対峙する者はキリル。
政府の体制を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ニヒルで重厚な読後感
物語は、どこにでもいる冴えない学生と快活な親友の日常から始まります。
しかし、読み進めるうちに読者は、その平穏な学校生活のすべてが「偽造された舞台装置」であることに気づかされます。
本作の素晴らしいところは、前編・後編で語り手を変え、同じ時系列をなぞり直す構成です。
一見、友情に満ちた会話の裏側で、一歩間違えば死に直結する情報戦がどう展開されていたのか。その舞台裏が暴かれる瞬間のカタルシスは、短編ながらも圧倒的な密度でした。
任務、忠誠、自由。それぞれの「正義」を懸けてぶつかり合った二人のたどり着く場所。
「信じていたものが、足元から崩れ去る感覚」を味わいたい方に、ぜひ読んでいただきたいです。 - ★★★ Excellent!!!一体誰がスパイなのか? 君か? それとも僕なのか?
幻想的なファンタジーや趣味のサッカーをこよなく愛する、名前と裏腹な女子大生作家、燈栄二さんの短編サスペンスです。タグが「スパイ」としかついていない、潔い作品です。が、これは面白い!
主人公は、白髪と赤い眼が特徴的なだけで、これと言って目立つところのない、真面目な秀才キリル18歳。しかし、学園一の人気者、キリルからみたらまるで太陽のようなスター、ユリスと妙に馬が合います。
二人は仲良く学園生活を謳歌していましたが、あるとき、ユリスがとある噂話をキリルにしてくるのです。「なあ、キリル。知ってるか? 何年か前、反乱分子で民主活動家のネフスキーが国外追放になっただろう。その息子がこの学園に忍…続きを読む