甘い白雨
・・・彼との邂逅は、
まるで甘い白雨でした・・・
SNSの中で漂っていた私は、その頃恋情を
欲していました。
が、然し私の通う中学校はクラスメンバーが小学校から数えて8年も同じで、今後も人の
変化の無い予定が高校まで続くのです。
更に、1クラスと言う現実が
「恋愛なんて出来る筈ない…」
と諦めさせてきます。
それでも私は諦めきれませんでした。
私は誰にも恋の期待を向けられてこなかった人間なので、尚更求めてしまったのでしょう。
「高校までの我慢だ」
と心の中で思いつつも、私には耐え難い事
でした。
・・・突然現れた
ひとひらの美しい蝶・・・
これは私がXでイラストと文房具を発信していた時の話です。
私は"文具で一服"と言う名で活動していて、
一定数の仲間が居ました。
そして、その頃に私は彼と出会いました。
私は彼のイラストに惹かれ、沢山の話を
経て、彼は何にも変え難い、重要な友達と
なりました。
彼との話の中で一番楽しかったのは、架空
の人物達による会話劇でした。
けれど、XのDMでは日に送れるメッセージ数が限られている事を知った日、その日に
私は彼とLINEを交換する事しました。
飽きもせず、毎日のようにLINEを楽しんだ
この時は、今思えば贅沢すぎる日々でした。
ある日の事です。
私は彼にとある重大な告白をしました。
私の持つ障害の話です。
その話を、君は容易に優しく受け入れて
くれました。
(この頃には私は君に恋愛感情は
あっただろうか…はて、覚えていない…)
それからまた私達は、楽しい束の間を
楽しみました。
電話を初めて行った日、君はとても可愛い
らしい声をしていたのを覚えています。
会話の中で君は私の事をたくさん褒めて
くれました。
その時私は物凄く嬉しくて、心の中で感動
していました。
何故なら人生で初めて、他人から自分自身
の事を褒められたからです。
その後、私達は会う約束もしました。
その時の約束には、私と君とどちら
共と仲の良い、人もついてくる予定でした。
然し、会う数日前にその人は体調を
崩してしまい、二人きりで会う事になり
ました。
その日はどんな日より贅沢な一日だった
のを今も噛み締めています。
君が私を見つけた時の様子は、電話の時
以上に緊張していたのを今も覚えています。
よく水を飲み、言葉も辿々しい二人は一緒に絵を描いたりしました。
そうしてあっという間に時は過ぎ、別れの
時間となった時。多大なる寂しさを感じました。
けれど、その時の私はまた会えると確信していました。
別れの挨拶をした後、私は余韻に浸り乍ら
君とこれから作るであろう夢を見ました。
もう会えなくなる事も知らずに…………
・・・願わくばここに還りたい・・・
君と私は再び会う約束をしていました。
その時は二人でカラオケへ行き、歌を歌う
予定でした……
君を偲んで 文芸で一福 @BUNGEI_IPPUKU
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