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概要
閉店九十日。駅弁と恋、温め直します。
北城県雪津市の雪津駅。改札横の駅弁店「はなとげ弁当」に、十二月上旬「閉店まで九十日」の貼り紙が出る。駅ビル管理会社の担当・奏輔は会議で「皆さんの意見で決めましょう」と譲りかけ、店主の前でも形式的な説明で終わらせそうになる。そこへ東京から来た広報・春花が入り、包み紙の寒々しさや導線の悪さをその場で書き出し、翌朝には別案を紙で持ってくる。
改札前で声が出ずに二人で笑った夜、コンビニで深夜アイスを分け合う。レジにいた義童は軽く敬礼して「記憶にございません」と返すが、ポケットの破れたノートには「花も棘も抱きしめて」とあり、伝説の駅弁に繋がる仕込みの癖が残っていた。駅長・楓雅は功績を奪わず名前を挙げ、衛生担当・衣緒は「根拠は?」を繰り返しながら手順を整え、美容室の伊麻里は肩書きを増やした名刺で空回
改札前で声が出ずに二人で笑った夜、コンビニで深夜アイスを分け合う。レジにいた義童は軽く敬礼して「記憶にございません」と返すが、ポケットの破れたノートには「花も棘も抱きしめて」とあり、伝説の駅弁に繋がる仕込みの癖が残っていた。駅長・楓雅は功績を奪わず名前を挙げ、衛生担当・衣緒は「根拠は?」を繰り返しながら手順を整え、美容室の伊麻里は肩書きを増やした名刺で空回
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