概要
いつもキラキラ光っていた
『七夕月七日 雨
甲殻類に似た種族が統治する国を訪れた。かつてその国では絶えず人々が争い、統治種族は国民の脳みそにミミズ由来の拡張子を加えたのだ。街はとても静かで、人はみな笑顔だった。統治種族曰く、差別や争いは情報処理能力のなさ故に生まれる。
夜の街は星のように瞬いてた。興奮まじりに話す私とは対照的に、宿の主人は寂しげに笑った。
「旅人さんにはそう見えるんですねえ」
訊けばこの国は、身体を喪った人々の脳波からエネルギーを得ている。事故で身体を喪った主人の伴侶は脳だけが、水槽で、身体を喪ったと気づかず生活しているのだと。
私は頭まで毛布をかぶった。瞼の裏に焼きついた無数の悲鳴に耳を塞ぐように。』
甲殻類に似た種族が統治する国を訪れた。かつてその国では絶えず人々が争い、統治種族は国民の脳みそにミミズ由来の拡張子を加えたのだ。街はとても静かで、人はみな笑顔だった。統治種族曰く、差別や争いは情報処理能力のなさ故に生まれる。
夜の街は星のように瞬いてた。興奮まじりに話す私とは対照的に、宿の主人は寂しげに笑った。
「旅人さんにはそう見えるんですねえ」
訊けばこの国は、身体を喪った人々の脳波からエネルギーを得ている。事故で身体を喪った主人の伴侶は脳だけが、水槽で、身体を喪ったと気づかず生活しているのだと。
私は頭まで毛布をかぶった。瞼の裏に焼きついた無数の悲鳴に耳を塞ぐように。』
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