本当に見えていないのは誰? 読後――やさしい肯定感に包まれました。

通学電車の何気ない風景から始まる、静かでやさしい青春恋愛小説。

主人公は、自分を「地味」だと思い込んでいる普通の高校生。
明るく才能のある親友の隣で、つい自分を後回しにしてしまう――
そんな等身大の主人公。

物語の魅力は、「見える」「見えない」という感覚が、
読者の中で静かに反転していくところにあります。
「本当に見えていなかったのは誰なのか」に気づかされます。

中盤以降、息苦しさや人間関係の軋みも描かれますが、
決して過激にならず、最後まで誠実な視線で進み、
安心して読了できました。

読後に残るのは、
「自分を大切にしていい」
「誰かの隣に立つ資格は、最初から誰にでもある」
そんなやさしい肯定感。

静かな恋愛ものが好きな人。
等身大の高校生の心情描写を味わいたい人。
読み終えたあと、少し気持ちが軽くなる物語を探している人。

こんな方に、そっと勧めたい一作でした。

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