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概要
指が折れた。断面は宝石のように白く痛みはない。「天使」の侵食の始まり。
「最初は、指先にミルクがついているのかと思った」
建築事務所で働く青年・カケルの右小指に現れた、小さな白いシミ。それは、致死率100%、治療法なしの奇病『天使の菌糸(エンジェル・マイコ)』の感染宣告だった。 痛みも恐怖も麻痺させ、肉体を白く美しい「結晶」へと変えていくその病は、カケルから人間としての機能を一つずつ奪っていく。味覚が消え、指が欠け落ち、やがては記憶さえも――。
「あんたが石ころになっても、私が絶対に見つけてあげる」
恋人のマホは、絶望するカケルの手を取り、祖父が遺した日記を頼りに世界へと飛び出す。 カンボジアの遺跡、パリの地下墓地、水没するベネチア、そしてすべての元凶が眠るアマゾンの奥地へ。
建築事務所で働く青年・カケルの右小指に現れた、小さな白いシミ。それは、致死率100%、治療法なしの奇病『天使の菌糸(エンジェル・マイコ)』の感染宣告だった。 痛みも恐怖も麻痺させ、肉体を白く美しい「結晶」へと変えていくその病は、カケルから人間としての機能を一つずつ奪っていく。味覚が消え、指が欠け落ち、やがては記憶さえも――。
「あんたが石ころになっても、私が絶対に見つけてあげる」
恋人のマホは、絶望するカケルの手を取り、祖父が遺した日記を頼りに世界へと飛び出す。 カンボジアの遺跡、パリの地下墓地、水没するベネチア、そしてすべての元凶が眠るアマゾンの奥地へ。
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