死者? 生者? いいえ、彼らはネクレア。生きる意志を再び紡ぐ者たちです

禁忌のスキルを授かってしまったばかりに領主の息子という立場から一転、処刑されかけ、辺境の村に逃亡することになった男の再生の物語です。


主人公「クロム」は、禁忌とされる【ネクロマンシー】を授かってしまいます。
ネクロマンス―――それは死者を蘇生し、アンデッドを使役する恐ろしいスキル。過去にはこのスキルを持つ者が死者の軍勢と共に国を滅ぼし、世界に大きな傷痕を残したとのことで、人々から忌み嫌われていました。

幼馴染には嘲笑され、領民には石を投げられ、親父からは腫れもの扱い。
更には次期領主任命と同時に処刑を宣告するほどの嫌われっぷり。

ぶっちゃけ理不尽だとは思いませんか?
勝手に向こうが授けてきたスキル一つで人生が左右されるとか、運ゲーにも程があります。

だから、この手のハズレスキル追放ものは世界を憎み、人を恨み、復讐の炎を燃え上がらせる。

ただし―――クロムは違います。
彼は憎悪ではなく、愛を選んだ。
人を愛し、信じることを選んだ。
だからなのでしょう、彼の力はただ死者を蘇らせるだけではありません。
死者の未練、「生きたい」という強い願いを現世に繋ぎ止め、叶えるための力なのです。

彼は逃亡先の辺境の村を、その力で救っていきます。
自分と同じように呪われた力を持つ者には、新たな解釈を提案し、生かすための使い方を導きます。

好きです、この主人公。
安易に復讐に走ることなく、人の可能性を信じる方向性というのもとても良い。

何より、命を軽んじないのが好感持てますね。

作者様曰く「生と死」や「愛」といった人間の光がテーマになっているようですので、とても繊細に取り扱っているんだな、と、文面から伝わってきます。

◇◇◇

領主の長男ですがネクロマンシーを授かったせいで処刑されかけました。蘇らせたメイドや仲間達と共に辺境の村を開拓していたら、いつの間にか国になりました

ハズレスキル追放ざまぁ系とは違う、温かな読み味を探している方。
辺境の村の再生、そこに住まう人々の成長、愛の物語をお探しの方。

どうぞ、ご一読ください。

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