善意は、時に刃になる——それでも「学ぶ」ことを選ぶ優しい童話

山奥の「きつね小学校」から抜け出した好奇心旺盛なめめこが、麓で出会った人間の青年・平助。優しい笑顔と干し芋に救われた体験が、めめこの世界を一気に広げていきます。

けれど『誰かのために』動いた結果が、思いもしない形で平助を追い詰めてしまう展開が切なくて……。善意と窃盗の境界、子どもの視点では見えない「大人の理屈」が、痛いほど自然に描かれていました。

最後、泣きながらも「真面目に学ぶ」ほうへ戻っていくめめこの決意が綺麗です。救いを<都合のいい奇跡>で片づけず、「次はちゃんと会いに行く」という未来の約束に着地させた余韻が、童話らしい優しさとほろ苦さを残してくれました。