知識と執念で<研究>を物語にする――――薬学×異世界の読み応え長編
- ★★★ Excellent!!!
本作は、科学・薬学の知識を『設定の飾り』ではなく、物語を動かすエンジンとして丁寧に使っているのが魅力です。女神との契約から始まり、第10王子アダムとして『研究者の道』を選び直す導入が明確で、目的(夢)と手段(実験・検証)が噛み合っているので、読み進めるほど納得感が増していきます。
第一部では、研究者という立場が国家資格として管理される世界観の説得力が高く、フィールドワークや論文・試験へ至る積み上げが「努力の物語」として気持ちいい。到達点がきちんと過程で支えられているので、達成の瞬間が爽快でした。
第二部以降は、学園や人間関係の温度が加わり、日常の守りたいものが増える分だけ、目標へ向かう推進力も強くなる。王位戦という大きな目標が立ち上がってからは、知恵と検証で不利を覆していく方向へ自然に物語が加速していきます。
知識系主人公が好きな人はもちろん、努力・成長・逆境突破が好きな人にもおすすめしたい、読み応えのある長編です。