自身の特殊体質を治すために出発した謎の島…
とても個性的で独自の発想の物語に「ガリバー旅行記」みたいな感じかなと思っていましたが、半分当たりでしたが、それ以上でした!
ネタバレないよう語っていきますね。
この未知の島はいわば、テーマパークのような気持ちを抱かせてくれます。
さまざまな魅力的なキャスト=登場人物たちがおり、
それぞれのキャラが立っている上に、訪れる場所、エピソードなどが夢いっぱい。
個人的には、崇影が好きです。
あの語り口調。寡黙ながらも頼りになる感じ……
森の最後まで読んでのレビューではありますが、その森のエピソードも、もはや一つのアトラクションでした。その世界を体感させてくれ、しかも登場人物たちのやり取りが細かく見て取れ。
何より魅力的なのが主人公。
彼の語り口のおかげで、この島を楽しく散歩している気持ちになれ、登場人物たちとコミュニケーションが取れるような気持ちになる上に、ちょいちょい笑わせてくれます。お笑いのセンスが絶妙かつツボで、この主人公があって、この未知の島の「体感」ができるんだと感じました。
今後、さらに魅力的な場所や登場人物が登場してくるのでしょう。
テーマパークといえば、待ち時間きついですが、この小説は待ち時間なし!
さらに、次々と新たな場所や人が登場してくるので、テーマパークのように「一日じゃ回りきれない」「二泊三日でも足りない」そんな気持ちにさせてもらえます。
ぜひ皆さんも、この主人公とともに、この未知の島をお散歩してみてください。わたしは一気読みでいってしまいましたが、一話、一話、ちょっとずつでも楽しめます。そっちのほうが細かな発見があっていいかもしれません。
わたしもこのテーマパークへ、再び足を踏み入れようと思います。まだまだ続きにおり、先が長そうなので、これから、どれだけほっこりしてくすっと笑える体験ができるか、とても楽しみです!
第一章読了にて、序盤から一気に引き込まれる世界観とキャラクター造形に夢中になる。
絶望、安堵、コミカルといった展開の振れ幅が、シームレスに繋がっており圧巻。その絶妙なバランス感覚が、物語の世界に閉じ込められたかのような体験の根底と考える。
七戸は説明せず行動と体験で語り、ゆえに世界観の解像度が自分でも驚くほど高くなり、没入していたことに気づく。
粗暴な口調だが情に熱いトーキス、破天荒だが洞察力を魅せるアリエスなど、表層的でない登場人物たちがストーリーを彩る。
最後に、セイロンには二度三度と驚かされた────これに尽きる。