涙と癒しの魔法—虹の橋で出会う「だいじょうぶ」な時間

 深見双葉 様の「だいじょうぶ〜夢への切符」は、やさしさと涙が自然にあふれる物語です。虹の橋という舞台で、別れを経験した動物たちが、それぞれの思い出や想いを胸に抱きながら、少しずつ前を向いて歩き出す姿が、とても温かく描かれています。

 特に、ねむちゃんときなこちゃんたちが、それぞれの想いと向き合いながら成長していく姿は、誰かを失った経験のある人はもちろん、「優しさって何だろう」と考えたい人にも深く響きます。悲しみや罪悪感を真正面から受け止めつつ、最期まで「ありがとう」と伝え合う場面は、涙なしでは読めません。

 言葉にならない寂しさや後悔も、「だいじょうぶ」という魔法のような一言が、そっと包み込んでくれます。自分の居場所のような存在との別れを経験した方にこそ、心にぽっかり穴が空いたときに読んでほしい物語です。小さな命が教えてくれる「やさしい強さ」に、心が静かに癒されるはず。