温かい涙とともに、胸の奥がじわっと熱くなるような素晴らしい物語

愛犬や愛猫を見送った経験のある方、あるいは今まさにその不安の中にいる方にとって、この物語は「最高に優しい救い」になる一冊だと感じます。


安楽死や急死など、心の準備ができないままお別れした飼い主さんは、「もっと何かできたのでは」「苦しませてしまったのでは」と深い後悔を抱えがちです。 けれど、このお話の中ではそれを「最期にいっぱい愛を使ってもらった証」として肯定しています。この視点の切り替えは、多くの飼い主さんの心を縛っている重い鎖を解いてくれるはずです。

虹の橋をただの野原ではなく、みんなが誰かのために動く「おしごと」がある場所として描いているのが素敵です。

物語全体を通して繰り返される「だいじょうぶ」という言葉。最初はただの挨拶のようですが、きなこのエピソードや、ねむの窓口業務を経て、最後には「確信に満ちた魔法の言葉」へと進化しています。

「だいじょうぶが、ほんとうに“だいじょうぶ”になる場所」

この一文が、この物語のすべてを象徴していると感じました。