ドキドキの影にある「距離」と「境界」、そして切ない大人の弱さ

ドキドキをありがとうございます!

本作は、背徳的な関係を描いた作品というより、「距離」と「境界」を描いた物語だと受け取りました。

特に印象的だったのは、修の心理描写の丁寧さです。思春期特有の性欲や自己嫌悪、家族に対する居心地の悪さが一貫して描かれていて、なんとなく思い当たる節も感じられるほど、読んでいて非常に説得力がありました。

また、ここが上手いなあと感じたのですが、部屋を隔てるカーテンというモチーフが、物理的な仕切りであると同時に、家族・他人・異性という曖昧な境界を象徴していることです。とても効果的だと感じます。

雪音さんも単なる誘惑役ではなく、逃げと諦めを選び続けた人物。その大人びた弱さが物語に深みを与えています。

終盤の展開……これはカクヨムでは多くを語れないですが、半年間積み重ねられてきた修の感情を考えると、物語としては自然な帰結であり、何より、ドキドキできたのがうれしかったです。

危うさを含みつつも、感情の積み上げを丁寧に描いた作品。ぜひ、皆さんもお読みください!

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