『天気屋』と蔑まれる陰陽庁の窓際係ですが、近代兵器と公務員権限で怪異を制圧します

現代日本。かつての陰陽寮は、内閣府外局「陰陽庁」として秘密裏に存続していた。 彼らの仕事は、科学と呪術を融合させた近代装備で、人知れず「あやかし」を鎮圧すること。

現場の警察官からは、嵐のように現場を荒らす「天気屋」と蔑まれ。 エリート部署からは「泥臭い旧式」と見下され。 それでも、第四機動室所属の二等陰陽官・久我湊（くが・みなと）は、今日も気怠げに引き金を引く。

「英雄になんてなれなくていい。定時に帰れれば、それで」

やる気のない昼行灯だが、現場での判断力はズバ抜けたベテラン職員。 そして、彼に冷徹な命令を下すのは、かつての恋人であり、現在は上司となった藤堂沙衣（とうどう・さえ）。

これは、特別な力を持たない公務員たちが、組織の論理と、泥にまみれたプロ意識で東京の夜を守る、鉄と煙の物語。