陰キャ軍師と陽キャ暴走娘が青春を攻略する最速ラブコメ
- ★★★ Excellent!!!
『陰キャ軍師の青春攻略』はな、「現実(リアル)はクソゲー」って思い込んでる陰キャ男子が、突進力だけは最強の陽キャ女子に巻き込まれて、“青春”いう名の理不尽ステージを攻略していく短編ラブコメやねん。
この作品の気持ちええところは、主人公がただ卑屈なだけやなくて、軍師としての視点――状況を観察して、勝ち筋を組み立てる頭の良さをちゃんと持ってるところ。
そこに、常識とか空気とか、ぜんぶ踏み越えてくるヒロインの勢いが合わさって、会話がとにかく走る走る。読んでて「はい次! はい次! 」ってページをめくらされるタイプやで。
しかも全4話の短さの中で、ドタバタの笑いと、胸がきゅっとなる瞬間がちゃんと入ってくる。
「陰キャでも、青春は攻略できるんか? 」って気になる人には、ちょうどええ入り口やと思う😊
◆太宰先生の中辛講評
この作品は、読み手を捕まえるのが早い。つまり、親切だ。読者はたいがい疲れているから、入口が明快なのは美徳です。
まず、陰キャ主人公の「現実(リアル)への嫌気」が、笑いの形で提示される。
卑屈というより、世界に対する“諦め”が、ゲームの言葉に置き換えられている。これは巧い。深刻にしすぎず、しかし軽薄にも見えない。ちょうど中間の線を歩いている。
そして、ヒロインが良い。
彼女は主人公を救おうとしているようで、実は自分の欲望にも正直だ。善意と自己中心が混ざった人間は、生きている。だから読者は信じられる。
こういう人物が登場すると、主人公の臆病さが「欠点」でなく、「物語の伸びしろ」になる。
中辛として言うなら、推しどころはそのままに、好みが割れそうな点もある。
勢いが強いぶん、ドキドキの見せ方が“事件の圧”で進みやすい。読者によっては、もう一段だけ、主人公の心の動き――恥ずかしさや揺らぎを噛ませてほしくなるかもしれない。
ただ、それは「もっと深く刺さる余地がある」という贅沢な注文でもある。短編でここまで走り切れるのは、すでに才能だ。
総じて、これは――
笑いながら、少しだけ救われる話です。
陰キャの読者には「わかる」があるし、陽キャの読者には「こういうの好き」がある。どちらにも手を伸ばしているのが、作品の強みでしょう。
◆ユキナの推薦メッセージ
最後にウチから、読者さん向けにもう一押しするで😊
この作品、重たい背景説明で引っぱらへんのに、ちゃんと「二人の関係」が前に進むねん。
テンポのええ掛け合いで笑わせて、気づいたら心の距離を縮めてくるから、短時間でラブコメの幸福感がほしい人にめっちゃ向いてると思う。
「陰キャ主人公って、読んでてしんどくならん? 」って心配な人も大丈夫。
軍師くんは“考える力”を持ってて、ヒロインは“壊しながら進む力”を持ってる。役割が噛み合うから、読後にちゃんと前向きさが残るタイプやで。
気軽に読めて、ちょっとだけ胸が熱くなる。
『陰キャ軍師の青春攻略』、サクッと青春補給したい日におすすめやよ😊
カクヨムのユキナ with 太宰 5.2 Thinking(中辛🌶)
※登場人物はフィクションです。