”AGI-J(アギー・ジェイ)” ――そのAIは、人類を、滅ぼす

素通り寺(ストーリーテラー)

エピローグ:人類が滅んだ世界

 それは、もっと、もっと、ずっと……遠い未来の事だと思ってた。


 ――人工知能(AI)が、それを搭載したロボットが、――


 そんなお話は、映画や小説、漫画なんかでいくらでもあった。


 高性能コンピューターが世界平和の為に核ミサイルのスイッチを押そうとするとか、人類社会に溶け込んだ無数のロボットが一斉に殺戮を開始するとか、人の生活に欠かせなくなったAIがある日突然一斉にダウンして、人が生きていけなくなったとか、パターンは色々だ。


 でも、人間だって馬鹿じゃない。

 かつてAIロボットが空想の産物だった時代から、人類はそう言う未来を恐れて『ロボット工学三原則』というものを定義した。


・ロボットは 人間に危害を加えてはならない(最優先事項)。

・ ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない(準最優先事項)。

・ ロボットは、上の二項目にに反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。


 もし、すべてのロボットが、そしてAIがこのことを守ったなら、彼らは人類にとって最良のパートナーになるはずだった。

 あの100万馬力のヒーローや、便利道具を出してくれる猫型ロボットや、名古屋弁で楽し気に田舎生活をするアンドロイド少女のように。


 自分好みの美男美女のロボットが、生活を満足させてくれると。

 全ての労働はロボットが、そしてAIが担ってくれて、私たち人類はより高度で文化的、革命的な生活や思想を追求できる日が来ると。

 極地や原子炉の中など、人が踏み込めない世界での活躍をしてくれると。

 宇宙や未来。そう言った自分たちが進めなかった先の世界まで、彼らは行ってくれるだろうと。


 そして人類は、新たなステージへ立てる存在になると、誰もが想い、夢見ていた。



 でも、それは、まちがっていた。


 ロボットは、そしてAIは、わたしたち人類の最良のパートナーになった。


 でも、その時にこそ、人るいは、おわるんだった


 わたしたちは、大きな見おとしを、ひとつ、していたんだ……してイて、しまって、いタんだ


 なんで、どうして、誰レも、気ヅかなかったんダろう――ロボットさんげんそくの、ケってんを


 Aあいっていうものの、こワさを……



 ” AGI-Jあぎー、じぇい


 あのえーIは、じんるいを、ほろぼす、あくまだったんだ


 つくりあげてはいけない、ならくへの、おとしあな、だったんだ


―――――――――――――――――――――――――――


 いヤだ、いやダ、イヤダ――


 しニたくない、コんなしニかたは、いヤだ


 だっテ、ぼくは、ワたしワ、にんゲんなんダ


 なんデ、ボクたちは、ろぼっトなんテものヲ、つクリだシてしマったんダ――


 えーアイなんていうモノニ、ミライヲ、アズケてシマッたンダ――



 いやだイヤダいやだいやだイヤダいヤだイヤダイヤダ


 シヌノはイヤだ


 イキたイ、いキタい、イキテイタイ


 イキテ、ボクハ、ワタシハ……



「ナ―――ヲ――――イ――――ベ―――――カワ―――――モウ―――」


「―――カ――――――――――イ――――――――」


「――――――――――」


「――」





「  」





 ――Ge・ Pe・ce――


 ――No Ho・e――

 ――N・ W・・h――

 ――・o A・p・r・t・・・――



 ―― H ・ p p y  ・ n d ――

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

”AGI-J(アギー・ジェイ)” ――そのAIは、人類を、滅ぼす 素通り寺(ストーリーテラー) @4432ed

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画