『諦めたはずの彼女を、救いたいと思ってしまった俺の話』 ――戦場で壊れた獣人少女と、幼馴染の俺

孤児院で共に育った獣人の少女・アイリスは、誰よりも優しく、眩しい存在だった。
だが、そんな彼女は、軍へと行ってしまう。

数年後、彼女を追うように入隊した俺が再会したのは、感情を失い、戦場上でただ戦い続ける、俺の知らない彼女だった。

――あの頃の彼女は、もういない。
そう思い、諦めたはずだった。

だが任務を共にする中で、彼女が今もなお“彼女のまま”であることを知ってしまう。

戦場で壊れたのではない。
死が日常になる場所で生き延びるために、壊れない自分を削り続けていただけだった。

彼女を救いたい。
そう願ってしまった瞬間、俺は自らの気持ちを自覚する。

これは、
戦場で心を壊された獣人少女と、
おの頃の彼女を諦めきれなかった俺が、
取り返しのつかない選択をする話。