「清楚系に捕獲される話だと思ったら、“覚悟”を試されるラブコメだった」

一見すると、
「清楚系に見える後輩女子 × 自己評価低めなオタクSE」
という王道ラブコメに見えます。
でも読み進めるほどに、この作品は**“勘違いと臆病さ”を丁寧に描いた物語**だと気づかされました。
ヒロインは分かりやすく好意を向けているのに、主人公は過去の傷や年齢差、自分への自信のなさから、一歩を踏み出せない。
その結果、勝手に不安になり、勝手に傷つき、勝手に結論を出してしまう――
この不器用さが、驚くほどリアルです。
一方で、ヒロイン側の視点が挟まれることで、
「実はとんでもなく重くて深い愛情」がコミカルかつ愛おしく描かれているのも魅力でした。
笑えるのに、ちゃんと“想っている”。
後半では、恋愛のドキドキだけでなく、
「選ばれた側が、その選択から逃げていいのか？」
という、少し苦い問いが投げられます。
軽快に読めるのに、読み終わると背筋が伸びる。
ラブコメ好きにも、人間ドラマが好きな人にもおすすめしたい作品です。