漫画の中のヒロインと、喪失を抱えた現実の青年。
この二つが出会うまでの流れが、とても静かで丁寧です。
第1話の冒頭にあるバトル描写は派手ですが、そのあとに続く日常パートがしっかり描かれているからこそ、主人公の空白や疲れが自然に伝わってきます。
従妹を失った後の会話や独白が重くなりすぎず、それでいて軽くもならない、そのバランスが心地いい。
第2話で現れるナギサは、可愛さと同時に、はっきりした違和感を残していきます。
説明されすぎない態度や言葉選びが、「この子は何者なんだろう」と素直に気になりました。
第3話では、墓参りという静かな場面を通して、主人公の未整理な感情と、ナギサのズレた価値観が浮かび上がります。
日常会話の延長で読めるのに、確実に不穏さが積み重なっていく構成が印象的でした。
派手さよりも空気感で引き込むタイプの作品が好きな人には、かなり刺さる導入だと思います。
漫画家志望のトオルが描いたヒロイン「ナギサ」が、そっくりそのまま現実に現れた。緑の髪、エメラルドの瞳、そして異能力まで――
死んだ従妹イツキの幻を追ううちに出会った彼女は、薔薇の武器"リベンカ"を操り、正体不明の脅威と戦っていた。
街では患者の急変、虚ろな目の人々、謎の事件が続発。ナギサの警告を無視したトオルは何者かに拉致され、目覚めた先で知人の女医から衝撃の言葉を告げられる。「ナギサと関わるな」――
その時、金色の翼を持つナギサが現れて…?
創造と現実の境界が揺らぐとき、二人を待つ「世界の終わり」の真相とは。伏線と謎が絡み合う序盤から目が離せない展開です。