空はひとつ、大地にだって境界線なんかどこにもない

「共生か、搾取か」という重厚なテーマを活き活きとした筆致で描き出したファンタジーの傑作です。

清浄な空気感漂う「聖森」の描写と、煤煙に汚れ停滞する「人間界」の対比が鮮烈で、読み進めるうちに双方の切実な事情が胸に迫ります。

分断された世界の中で、彼らが選ぶ「見えない選択」とは。
そしていつの日か彼らが歩み寄る未来が訪れるのか。

読後、タイトルの持つ希望の光が優しく心に灯るような美しい物語です。

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