そうだよね、これは落語なんだよなあ、とひたすら頬が緩みました

 SF(すこしふしぎ)でもあって、同時に落語でもある。この雰囲気がとても楽しい作品でした。

 主人公は、道を歩く途中で占い師に声をかけられる。特に気にもしてはいなかったが、「金運」の卦が出ていると言われた直後、「ちょっとしたラッキー」が彼の身に起こる。

 これは信憑性があるぞ、とその後も占い師のもとへ通うことになるが……。

 この後どうなるのだろうと、先がとても気になりました。「金運」が絡んで「同じ柳の下のどじょう」を狙おうとする。
 「定番としては何か痛い目を見そうなイメージもあるけれど?」なんてことも考えつつ。

 そしてラストまで読み、「ああ、なるほど!」と頬が緩みました。
 たしかにこれは「SF」でもあり「落語」でもあるという。

 すっきりと「やられた」感が得られる仕上がり、とにかく読後感が良かったです。

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