知的好奇心をくすぐる民俗学的アプローチと、重厚な幻想怪奇の融合。

調査票や録音機といった「現実の道具」が、村の静寂の中で異物化していく過程の描写が非常にリアルで引き込まれます。 針売りの老人の「命をつなぐための道具」という言葉の重み、そして澄羽の「まだ、生きてるから」という台詞。それらが繋ぎ合わさって、夜の静寂の中に白い影が浮かび上がるようなラストの余韻が素晴らしいです。 慰めとも呪いとも取れる夢の言葉に、主人公と共に足を踏み外してしまったような感覚を覚えました。

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